2024/11/07 Thu
文化
お祝いのはなし
Zdravo! ズドラヴォ
セルビア観光隊員の星野です。
先週末はじめてセルビアの結婚式に参加しました。
その様子をお伝えしたいと思います。
今回ご招待いただいたのは、同僚の息子さんの結婚式。
伝統的な流れとして、
当日ははじめ、新郎が新婦の家族に結婚の許可をもらいに行き、お金を払います。(花嫁を買う、という慣習だそう)
ゲストは、まず新郎の実家へワインや花などの贈り物とご祝儀を持ち寄り、そこでお酒をのんで会話を楽しみます。
その後、ゲストが花嫁を迎えに新婦の実家へ向かいます。音楽隊も加わり、賑やかです。
それからみんなで、教会へ。
各々車で移動するのですが、クラクションを高らかに鳴らしながら隊列を組んで行きます。svatovi スバトビとよばれるそうです。
ときには数十台にもなるクラクションの大隊に赴任当初は、何事かとびっくりしていたのですが、もう慣れてしまいました。
町の教会にて。白い布を手に巻いた新郎新婦のうしろは、クム・クマとよばれる立会人。親友が選ばれ、結婚後の相談役になったり子どもの名づけ親になったりと、生涯を通じてイベントを共にしていく名誉な役です。
教会での式が終わると、新郎の実家に全員で戻り
花嫁が sitoシト とよばれる、中に小麦粉を入れた篩(ふるい)を屋根上に投げる儀式があります。
シトが屋根にとどまれば、良い結婚生活が
屋根から落っこちしてしまったら、二人は離れてしまうという
なんとも両極端な、どきどきイベントです!
万が一落ちた場合は、ゲストみんなでシトを踏みつぶすそう。。え。。。
他に、りんごを投げ、屋根を越えて家の裏まで飛ばせたら男子が生まれるといった言い伝えもあるとか。
強く、家庭的な女性像が色濃く残る、バルカンの慣習です。
夜はお待ちかねの披露宴。
ゲストがぐっと増えて、一段と華やかな雰囲気になります。
King Aleksandar 1世の立派なサロンが会場。子どもだって夜通し踊ります!みんなが主役!
かかせない、民族舞踊のコロ。みな手を取り合ってリズミカルに。
踊って、食べて、踊って、飲んで、踊って、踊って、、、
たのしい時間が夜中まで続きます。
お祝い事は、家族友達近所みんなで祝うセルビアの人々。
子どもが生まれたときのイベントもユニークだったので、ついでに。
盛大なお祝いが、子どもの生まれたその日のうちに開かれます。
父親や祖父母が主催し、ゲストたちは出迎える父親の服を引きちぎるのです。
切れ端は幸運のお守りなんだとか。
わたしがちぎれずにいるのを、任せなさい!と引きちぎってくれたセルビアのママたち。これを持っておけば男の子が生まれるわよ!とのこと。びりびりに破かれるので、シャツは何枚も用意するそう。
後日はじめて赤ちゃんに会った際には
みな子どもの背中にそっとお祝いのお金を挟んでいきます。
そうして子どもは、地域みんなに見守られながら育っていくのです。
今回はここまでに。
また次回お会いしましょう。
Ćao!
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