JICA海外協力隊の世界日記

ブータン便り

AI講座を実施しました

Kuzuzanpola! 隊員の岩井です。

AI講座と称してプログラミング入門やコンピュータの構成といった基礎から、AIモデルを用いた物体検出のお試し等をする講座を駆け足ですが全6回で実施しました。私の配属先ではいくつかのAI関連のプロジェクトがあるのですが、以前の記事にも書いた通りCSTというブータン南部のプンツォリンにある工科大学や日本でいうところのデジタル庁に相当するGovTechに大きく依存しており、同僚は中身をほとんど知らない状態でした。そこで少しでも中身や仕組みを知り、ステークホルダーと議論ができるようにと思って実施した次第です。
講座は以下のようなスケジュールで実施しました。

第1回 Python入門

ブラウザ上でコーディングと実行ができるpaiza.IO Python Onlineというサービスを利用しました。変数やfor文、if文といった基礎からはじめ、FizzBuzzを最終課題としました。

第2回 コンピュータの構成

CPUやメモリ、ストレージといった装置を説明したのち、デスクトップPCを用いて実物を見てみました。実際に見てみると理解が深まったようです。ブータン人は結構お金が好きという印象なので、参加者のノートパソコンに搭載されているCPUやメモリの価格の比較をしたら盛り上がりました。

個人的にこの講座で役に立ったのが課題別派遣訓練です(当時の様子)。IT系職種には二本松訓練所および駒ヶ根訓練所で2ヶ月ほどの研修を受けたのち、都内にて3日間のPCリペア研修がありました。任国のPC事情は日本と比べると残念ながら整っていないため、この研修で受けた内容は非常に役立ちました。なお課題別派遣訓練は2024年に終了しました。

第3回 画像データ

2進数→16進数→RGB(三原色)→ピクセル(画素)といった流れで画像データに関しての講義をしました。ただ、ここで予想外だったことは、一部の同僚は数学が苦手ということです。2進数を説明する過程で2の0乗をクイズとして出題したところ、半分以上の同僚が0と答えていました(正解は1)。

第4回 画像処理

前回はピクセルを座学で学んだので、第四回ではGoogle Colabを用いて画像ファイルのピクセルデータを見てみました。あとはRGBの値をいじって身の回りの色を表現したりと、次回以降の講座に備えてGoogle Colabに慣れてもらいました。

第5回 深層学習

人工知能→機械学習→深層学習というように段階的に説明していきました。AIは魔法の道具ではなく、裏側は行列演算といった数学で成り立っていることを共有しました。

第6回 AIプログラミング

まずはGoogle Colabにて深層学習の入門課題とも言えるMNIST(手書き数字の認識)をやってみました。コードをコピペしつつではありますが、AIの裏側は膨大なプログラミングで成り立っていることを理解してもらいました。その後はYOLOという写真の中から人や物を検出するAIモデルを簡単に使えるライブラリを用いて身の回りの物体検出をしてみました。同僚の写真を撮って人間を検出して盛り上がっていました。


以上配属先にてAI講座を実施した報告でした。実際には現在はChatGPTのような生成AIに聞けば、機械学習の中身を知らずともAIプログラミングはできます。それでも本講座を通してコンピュータやAIの仕組みを知り楽しんでもらえたことは意義があったのではないかと思います。

最後に話が脱線しますが、ブータンではAI がトレンドであり、ブータン南部で開発が進められている国家プロジェクト「ゲレフマインドフルネスシティ」においてもAIの活用が叫ばれています。加えて2024年からはAIブッダというサービスも登場しています。今後のブータンでのAI活用に注目ですね。

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