JICA海外協力隊の世界日記

ブータン便り

ブータンにおける犬と猫

Kuzuzanpola! 隊員の岩井です。

今回はブータンにおける犬と猫の役割を紹介します。日本では犬と猫といえばペットとしての代表格ですが、ブータンでは事情が異なります。

まず犬ですが、野良犬飼い犬居座り犬ガイド犬に分かれます。
野良犬は日中は大人しく寝ていますが、夜から朝方にかけては日々縄張り争いに精を出しています。おかげで夜に犬の鳴き声で起きることもしばしば。日没以降にランニングをしていたら野良犬に噛まれたという話も聞きます。
なおブータンでは全ての野良犬に狂犬病ワクチンが打ってあり、接種済の犬は左耳先端が切られています。ただ、何年前にワクチンを接種したか等は不明なため触らないようにしましょう。特にブータン南部では狂犬病を持ったインドの犬が流入しているそうなので要注意です。
写真はブータン南部プンツォリンで撮影した野良犬です。安全な店内から撮影しました。
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飼い犬は数は少ないですがたまに見かけます。飼い犬の役割は日本と同様に家族の一員という存在でもありますが、ブータンでは番犬および残飯処理としての役割があります。ブータンでは牛が道を平然と闊歩しており、時々敷地内に入ってきてしまいます。そんな時は番犬として牛に吠えまくり追い払います。
残飯処理に関してですが、ブータンの家庭ではびっくりする量の米を日々炊きます。食べきれないのは日常茶飯事なので、余った米は犬に食べてもらいます。
写真は大家さん宅で飼われていた犬、名前はジャツォです。現在はティンプーの親戚の家に行ってしまい、寂しいです。
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居座り犬はお寺やオフィス、レストラン前に勝手に居座っている犬です。お寺では僧侶や参拝者からのご飯、オフィスでは従業員のランチの余り、レストラン前では客が残した料理をもらっています。サムネは私の配属先に居座っている犬、左がシロで右がポチです。呼べば駆け寄ってくるようになりました。
下の写真は首都ティンプーの標高3,600mにあるパジョディン寺院にいた居座っていた犬です。
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ガイド犬は登山者の道案内をしてくれます。どこからともなくやってきて先頭を歩いて定期的に立ち止まって振り返り、我々を案内してくれます。標高4,000m超でも元気に走っています。
野良犬に大別することもできますが、ガイド犬は吠えもせず非常に賢く愛くるしいため私は敬意を払っています。
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続いては猫です。野良猫はそこら中におり、犬と同様に残飯処理をします。写真はレストランで骨を待ち受ける猫たちです。ブータンの鶏肉は骨の処理がされていないため、可食部以外は猫にあげて食べてもらってます。猫ってめちゃくちゃ骨をバリボリと食べるんですね。
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飼い猫も時々見かけますが、彼らの一番のお仕事はネズミ退治です。ブータンの米倉庫はこんな感じで穴だらけで余裕でネズミに入られ、被害を受けます。その対策として猫さん達は日々せっせとネズミ退治に従事してくれています。
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一時期私の大家さんの飼い猫に懐かれたところ、ほぼ毎朝のように私の玄関前に捕獲したネズミの◯骸が置き土産として献上されている時は流石に疲れました。

なお、日本では「猫はコタツで丸くなる」と言いますが、ブータンでは猫はボカリで丸くなります。ボカリはブータンの室内で使われる暖房器具です。
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以上です。野良犬・野良猫が多いブータンではありますが人間とうまく共存できています。

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