2025/04/07 Mon
ブータンの空の下で
1年半の先に見えたもの ~続く挑戦の中で~


皆様こんにちは。
ブータンで柔道隊員として活動していました福井勇貴です。
先日3月19日に離任して、20日に日本へ本帰国いたしました。
これまでの約3年間、多大なるサポートと応援いただきありがとうございました。
帰国後にはなりますが、引き続き、残りの私のこれまでの活動について振り返りを投稿させていただきたいと思います。(過去の記事はこちら)
どうぞよろしくお願いいたします。
今回は、私がブータン国に「赴任してからの1年半」について書かせていただきたいと思います。
前回、活動半年から1年目まで(2022年10月~2023年3月)の活動について紹介させていただきました。
今回は、4月~9月中旬までの活動について紹介させていただきます。
まず、2023年4月には、日本の柔道の総本山である講道館から上村館長先生をはじめ、仮屋先生、谷本歩実先生、オーストリア柔道代表として活躍をされていたサブリナさんら4名がブータンにお越しになり、昇段審査、柔道の技術指導を行なってくださいました。
この日程の最後には、かねてよりブータン柔道協会の目標だった、「自他共栄CUP」も開催することができました。
この「自他共栄CUP」は、これまでブータン柔道協会に多大なるサポートをしてくださった神戸柔道協会の、初代ブータン柔道コーチのお父様でもある山﨑俊輔先生が主催する大会です。
この大会は、1995年に起きた阪神淡路大震災から10年後の2005年、阪神淡路大震災からの復興を記念して創設された柔道大会です。
阪神淡路大震災からの復興の過程で、「柔道を通じて人々のつながりを深め、共に成長をしていく場をつくりたい」という思いからこの大会が企画されました。
ブータン柔道協会としても、これまで多大なサポートをしてくださった皆様への感謝から、このブータンでも自他共栄CUPを開催したいと考えていました。
そして、2023年4月、第1回大会を開催することができました。
自他共栄CUPが終わった次の日に帰国される先生方へのお別れ会を実施しました。
自他共栄CUPや講道館の先生方によるプログラムが終わり、私たちブータン柔道協会は日常に戻りました。
そして、4月28日にクエートで開催予定のJudo Asian Kuwait Openへの代表選手の出場に向けた追い込みトレーニング、稽古を開始しました。
国際大会出場に向けた追い込み練習から1週間後、大会に向けた最後の調整練習をおこない、4月26日にブータンからクエートにむけて出発しました。
27日に深夜にクエートに到着し、翌日、朝食をとって、現地で最後の調整練習を実施しました。
そして28日Judo Asian Kuwait Openに3名の選手がブータン代表として出場しました。
結果は、出場した全員が善戦をしたものの、1回戦敗退という結果に終わってしまいました。
悔しい結果にはなりましたが、ブータンに帰国してからは、この大会で見つけた課題に向き合いながら、次戦でのメダル獲得を目標にトレーニング・稽古をすぐに再開しました。
それから約2ヶ月が経ち、2023年9月、アジア大会が中国の杭州で開催されました。
ブータン柔道協会からも、3名の代表選手の出場が内定していたため、大会出場に向けて、ブータンオリンピック委員会によるアンチドーピングセミナーにも参加しました。
7月、学校に通う選手たちが夏休みに入ったため、約3週間のSummer Judo Camp(夏合宿)を開催しました。
このSummer Judo Campは、Winter Judo Camp(冬合宿)同様、午前中は全員でフィジカルトレーニングを行い、ランチを全員でとり、午後は柔道の稽古をするというプログラムです。
このSummer Campでは選手それぞれが課題を持ってトレーニング・稽古に取り組むことを目指しました。
Summer Judo Campがスタートして2週間後にSummer National Judo Tournament 2023を開催しました。
この大会では、これまで稽古で培ってきたものを発揮すべく、選手たちが一生懸命、試合に取り組んでいました。
その1週間後には、年に2回開催している昇段審査を開催しました。
この昇段審査では、帯のレベルごとに分かれて基本的な技や動き、試合稽古を行ない、コーチ陣が各選手を公正に判断しました。
Summer Judo Campのプログラムが終了した後は、ブータン柔道協会の代表チームのインド国際合宿に参加すべく、8月24日にブータンを出発し、インドのコルカタへ向かいました。
コルカタからは国内線でバンガロールに向かい、そこからタクシーで6時間のところにあるカナルタカのスポーツセンター(IIS: Inspire Institute of Sport)に向かいました。
このIISにて私たちは、普段は一緒にできない選手たちと稽古、トレーニングを行いました。
国際合宿後は、すぐにタイ国で開催されたThailand International Judo Tournament2024に向けた調整練習も行いました。
選手たちは、普段できないような選手たちとの稽古に心を躍らせながらそれぞれの目標に向かって、稽古に励んでいました。
IISでの国際合宿を5日間行った後、8月30日からインドからタイで開催の国際大会に出場すべく出発しました。
翌日31日に私たちは、タイに到着し、休息しつつ調整練習を行いました。
調整練習から2日後の9月2日に大会1日目が開催されました。
この日は、-55kg級、-60kg級、-66kg級の大会でした。
ブータン柔道協会からは、3名の選手が出場。
うち2名が入賞し、-55kg級では3位、-66kg級では2位という結果を出すことができました。
また、翌日は、-73kg級に1名が出場し、5位に入賞することができました。
4月に出場したKuwait Asian Judo Open 2023以降、1回戦敗退という悔しい気持ちを常に持ち、日々妥協することなく稽古・トレーニングに取り組んだ結果がこの成果に繋がったと思います。
2日目の大会が終わり、夜、私たちは、ブータンへ向けてタイを出発しました。
ブータンに帰国後は、この大会で見つけた新たな課題を改善すべく、代表選手、シニア選手全員で大会ビデオを用いて反省会を行いました。
それから1週間後、ドイツからヨハネス先生がブータンへ来て講習会をしてくださいました。
このヨハネス先生は、国際柔道連盟の理事、ドイツ警察柔道連盟の重役として活躍されていて、ブータンでの柔道のさらなる普及のためにブータンへ来てくださいました。
普段の稽古にプラスして、自分たちの持っている課題点をヨハネス先生に相談し、課題克服を目指して、選手たちは日々の稽古に打ち込んでいました。
私もヨハネス先生とずっと一緒に行動をさせていただいて、とても貴重な経験をすることができたと思います。
というような感じで、今回の「派遣から1年半」について、を終わりにしたいと思います。
次は、1年半の活動を終えて、残りの期間に、どんなことが今後できるのかと考えながら活動した2年目の活動についてお話ししていきたいと思います。
今後も少しでも多くの方々に見ていただけると嬉しいので、よろしくお願いいたします。
また過去2年間分の私の詳しい活動内容がNPO法人JUODsさんのウェブサイトにて記載されています。
今回少しお話しさせていただきました、インド合宿から詳しい活動報告が掲載してあります。
もしお時間がある方は、そちらも見ていただけると幸いです。
★JUDOsカディンチェ柔道日記リンク★
https://judos.jp/category/activity/publicity/report/bhutan/
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