2025/09/20 Sat
ヒマラヤの彼方で...
「数」の違い


Kuzuzanpola! 隊員の岩井です。
今回の記事ではブータンにおける「数」にまつわる話です。幾つか紹介していきます。
20進法
ブータンでは20進法が使われています。先日年配の方と話した際に年齢を聞いたところ、「ケ-ジ-ダ-ニ」と言われました。「ケ」はゾンカ語で20、ジは4、ダは英語のand、ニは日本語と発音が同じで2を表しています。つまり「ケ-ジ-ダ-ニ」は20が4つと2を加えて82歳ということです。
私はこれを聞いた時に感動しました。ゾンカ語口語教本にゾンカ語では20進法があると書いてありましたが、ブータンで生活して1年半以上が経過してからようやくその20進法を使う人に実際に出会えたからです。
なお多くのブータン人、特に若い世代は数字を英語で言うため、もしブータンで20進法を使う方に会えたら相当レアです。
手での数の数え方
日本人の多くは手で数を数える際に、指を一本一本使って数えますよね。こちらブータンでは指の関節、もしくは指の節々を使って数えます。関節を使う場合は右手の小指の付け根から始まり第二関節、第一関節、小指の先端ときて次は薬指の付け根に移ります。なので片手で16まで数えられます。指の節々を使う場合は右手の小指から始まり、片手で合計12まで数えられます。
指関節で数える場合は下記PDFのインドと同じ方法です。
https://gihyo.jp/assets/files/book/2019/978-4-297-10608-9/download/028-029+.pdf(中村滋 監修 「ずかん数字」,技術評論社,2019)
ブータン人によっても関節で数える派と節々で数える派で分かれます。
学校現場における算数
先述の数の数え方の影響かどうかは分かりませんが、学校隊員によると算数で5や10のまとまりで考えるのが苦手な生徒がいるようです。我々は両手を広げればそこには10本の指がありますが、指の関節や節々で数える場合両手を広げたら32、もしくは24という数字が浮かび上がります。手での数え方が異なれば数の概念や捉え方も異なるのかもしれませんね。
3はたくさん
ブータンでは20もの言語がありますが、東部で使われているツァンラ語の一部地域では沢山あること、英語で言うところの”many”を数字の3で表現するそうです。ツァンラ語では1をトゥル(thur)、2をニクテン(nykten)、3をサン(sum)と言います。もし仮に沢山の人がいたらそれは10人でも100人でも3なのです。3はたく3なんですね。
以上です。他の派遣国の「数」にまつわる面白い話があったらぜひ知りたいです。
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