JICA海外協力隊の世界日記

ボリビア便り

#134 「ごみ」を「希望」へ。廃棄物処理の活動の魅力。【廃棄物処理/永井】

私はボリビアで現在唯一の廃棄物処理隊員として活動しています。 廃棄物処理の仕事は、住民にごみの分別などを呼びかける啓発活動から、効率的な廃棄物収集を考えたり、そして処分施設の建設や運営など多岐にわたります。いわば街の「ごみのゆくえ」をデザインする活動です。私はサンタクルス県のポロンゴ市にて主に、住民にポイ捨てをやめるよう呼びかけたり、分別の指導、有機廃棄物(生ごみや剪定枝など)をたい肥(コンポスト)に変える施設の設計に携わっています。

(1枚目の写真は、不法投棄された廃棄物を拾う様子です)

廃棄物を適切に回収し、処理することは単に街をきれいに保つだけではなく、市民の公衆衛生に直結し、環境保全にもなります。私が活動するポロンゴでは、デング熱などの感染症を媒介する蚊がいるため、ポイ捨てされたビニール袋などに雨水が溜まればそこは蚊の繁殖地になってしまいます。つまり、廃棄物の管理は人びとの健康、命を守る活動なのです。

さらに、道端にごみが捨てられていない美しい街は観光資源としての価値も上げます。それだけではなく、使い古した天ぷら油がジェット機の燃料(SAF)に生まれ変わる時代です。適切に管理された廃棄物は、もはや不要物ではなく、新たな資源やビジネスチャンスにもなりえるのです。

(写真・小学校でのごみ分別イベントの様子)

活動先では、全市での廃棄物の分別回収は行っていませんが、市役所や企業のオフィスに分別ごみ箱を置いて、紙やペットボトルを集めてリサイクル会社に売る取り組みを始めました。はじめてみると、分別に協力的な人が多く驚きました。そして、ここでは日本よりも資源の買取価格が比較的高く、売却益で清掃用具を揃えることができています。同僚も、活動費が増えることで積極的に取り組んでくれるようになりました。
また、ポロンゴ市で発生した廃棄物は隣のサンタクルス市の最終処分場に持って行き、燃やさず埋め立て処分をしています。廃棄物のうち重さベースで半分以上を占める有機廃棄物をポロンゴ市内でたい肥にすることで、資源の再利用や輸送にかかっていた費用の削減、さらに環境にやさしい市としての存在感を高めることなどが期待されています。

(写真・市役所に設置された紙用ごみ箱。だんだんと分別の精度が上がっていて嬉しいです。)

しかし、廃棄物はすべての人が出すもので関わる人が多いため、仕組みを変えたり、人々の意識を変えるには膨大なエネルギーが必要です。しかし、全員が当事者だからこそ、変化が起きたときのインパクトが大きいところがこの活動の醍醐味だと感じています。

かつての日本も街にごみが溢れていた時代がありましたが、清潔な国へと変わってきました。今の任地にはごみのポイ捨てがまだ多いと感じています。けれど、ここポロンゴでもひとつひとつの取り組みを積み重ねていけば必ず景色は変わると信じています。
「ごみ」を「希望」に変えられるよう、これからも活動に取り組んできます。


写真4.jpeg(写真・小学生と晴れた日に学校の外でごみ拾い)

文責 永井 綾夏(2024年度1次隊/廃棄物処理/サンタクルス県ポロンゴ市)

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