2026/03/10 Tue
栄養 活動
#141 栄養士隊員の学校での活動【栄養士/種瀬】

ボリビアで活動している、栄養士隊員の種瀬です。
今回は、現在行っている活動を紹介したいと思います。
1枚目の写真は、今回紹介する活動に関連しています。読み進めていくと、何の写真か分かると思います^^。
私の任地先では、肥満や糖尿病、高血圧症等の生活習慣病を有する患者が多くみられます。また、野菜や果物が多く生産されている地域であるにもかかわらず、じゃがいもやごはん、ユカ芋などの炭水化物の量が多く、野菜の摂取量が少ない料理が日常的に消費されています。
そこで私は、行動変容が比較的容易で、将来的により大きなインパクトが期待できる子どもたちの食習慣・健康習慣の改善に貢献するために、食に関する知識や態度の向上、そして健康的な環境づくりの強化をミッションとして、活動に取り組んでいます。そのミッションに沿った活動として、学校の場で2つの取り組みを行っています。

1つ目の活動は、子どもたちを対象とした食育活動です。この活動は昨年10月から開始し、月1回、15~20分の食育を小学1年生~6年生を対象に実施しています。これまでに2回の食育を実施しましたが、幅広い年齢に対応するべく、準備にはかなり苦労しました。
ただ、配属先の実習生である看護師・薬剤師の卵2名の協力を得ることができ、子どもたちは楽しそうに話を聞いてくれました。ここで、私がこの活動を行うにあたり、意識していることを少し共有させていただきたいと思います。食と健康の関係を伝えることはもちろんですが、それだけにはとどまらず、食の背景にある様々な要素についても、少しずつ食育の内容に織り込むことを意識しています。

「食べる」「食事を選択する」といった食に関連する行動は、身近な人やモノといった環境、自然環境、心理的要因、政治、経済面、SNSなどの情報など…様々な要素が複雑に関連し、影響を与えた結果として現れます。私はそのような食の奥深さ・面白さに魅了され、これまでの6年間、栄養学を学んできました。ミッション達成につながる内容がしっかりと伝わることを第一に考えつつ、子どもたちの食に対する見方が少しでも変わればよいと、密かに願っております。

2つ目の活動は、学校の中にある販売店(KIOSCO)での活動です。
ボリビアの小学校・中学校の中には、スナック菓子や軽食、甘い飲み物を販売している売店(KIOSCO)が設置されています。休み時間が始まると、子ども達は一斉にKIOSCOに向かって走り出し、その場で食べたり、授業中に食べたりしています。中には、先生からお金をもらっている子どももいました(笑)。日本の小学校・中学校では、校内で食べ物を購入することや、授業中に食事をすることができない環境が当たり前だったので、この光景を初めて見た時は大きな驚きを感じました。
子どもの頃からこうした環境に置かれることは、現在あるいは将来的な肥満、生活習慣病、食習慣の乱れにつながる可能性があります。そのため、この分野での活動を開始することにしました。また、国が定める基準(法的拘束力は持たない)の一つとして、KIOSCOで販売される内容(特に、砂糖・食塩・油・エネルギー量の減少)について、子どもたちのためにより健康的な食品を提供する必要性が示されています。このことも本活動を進める後押しとなりました(この情報を教えてくださった先輩隊員に感謝です…泣)。

本活動の第一歩として、KIOSCOの販売員の方々を対象に、「砂糖・食塩・油・エネルギー量の減らし方」に関するワークショップを行いました。その中で、「たとえ実際にKIOSCOの販売内容が変わっても、子どもたちは学校の外で販売している物を買いに行く(1枚目の写真(外で販売しているアイスクリームを購入している)がそれを物語っていることです)」「子どもにお金を渡している保護者への教育も必要である」「健康的な食べ物は子どもたちにとっては高価で、売れない」といった、率直な意見を引き出すことが出来ました。今回のワークショップが、販売しているお菓子や軽食の内容を見直すきっかけになればと考えています。
正直、活動は思うように進まないことが多いですが、ちょっとしたきっかけや気づき、活動を共にする方々や子どもたちの反応を見逃さず、残された任期中に少しずつでも前に進めるよう、今後もトライ&エラーを続けていきたいと思います。また、これらの活動を進める上で検討すべきことは多いですが、引き続き、任地先の人々の健康に貢献できる活動を模索していきたいと考えています。
文責 種瀬 柚季(2024年度2次隊/栄養士/サンタクルス県サマイパタ市)
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