2026/03/14 Sat
活動 自然
#143 ボリビアの野生動物保護センターで思うこと【環境教育/山部】

ボリビア南部のタリハ県タリハ市で環境教育隊員として活動中の山部桂子です。今回は私の配属先である「Bioparque Urbano(ビオパルケ・ウルバーノ)」とそこで暮らす動物たちについて書こうと思います。
Bioparque Urbanoはボリビア南部地域においては唯一の野生動物保護センターで、ケガや病気で保護された野生動物や、違法な取り引きや飼育により警察に摘発・保護された野生動物などを受け入れて飼育し、一般に公開している施設です。敷地内は野生動植物の保護地区に指定されており、この地域特有の樹木が自生し多くの鳥類が生息しています。草花もきれいに管理され、都市部にありながらこの地域の自然環境に触れることができる都市公園のような役割も果たしています。

現在飼育している動物はジャガーやピューマ、アンデスコンドル、フサオマキザル、ペッカリー、インコやリクガメなど約23種100個体以上です。ジャガーなど一部の動物は施設の前身である市立動物園時代から飼育している個体ですが、それ以外はほとんどが保護動物で、大部分は違法に飼育・所持されていたところを警察に保護されてやってきた個体です。ペットとして飼っていたけれどもう飼えないから、と連れて来られた動物を受け入れる場合もあります。
私がここに配属されて1年余りですが、摘発・保護されてくる動物たちの数の多さに驚いています。時期によって偏りはあるものの、例えば最近1か月ほどでサル1頭、カメ4頭、インコ3羽がやってきました。ここにやってくるのはごく一部だと思われるので、かなり多くの野生動物たちがペットとして飼われていることが想像できます。実際、市場などでインコがお店の人の肩に止まっているというような光景を目にすることも珍しくありません。

保護されてきた動物たちの健康状態や福祉状態も決して良好とは言えない場合が多いです。例えば、ほとんど身動きのできない狭い檻で飼育され、常にリードをつけられていたために腰に慢性的な擦過傷を負っていたフサオマキザル、小さなケージで飼うために尾羽根を短く切られてしまったコンゴウインコ。何年も狭いスペースで生活していたため広い飼育舎に放しても飛ぶことができないインコや幼い時期に母親と離されてペットとして飼育されていたために人間に依存し、しがみついて離れないフサオマキザル等々。もともと状態が悪い上に環境の変化によるストレスなどで体調を崩し、結局死んでいってしまう動物も多いのが実情です。
ペットとして飼育されていた動物は、基本的には野生に戻ることはできません。人に飼われていたため野生下で生きていく術を身に付ける機会がなかったからです。本来なら空を飛んだり、群れの仲間と過ごして子孫を残したり、その動物種らしく生きていたんだろうな…と思うと複雑な気持ちになります。

そしてそんな動物たちを目の当たりにしながら頭に浮かぶのは、実は日本のことです。日本では野生動物とのふれあいができるアニマルカフェやエキゾチックアニマルと呼ばれるペットがブームになっていたり、サルやナマケモノなどの野生動物がペットショップで売られているのをしばしば目にします。日本は野生動物についての規制が十分でなく、ペットショップであっても違法に入手された動物が紛れて売られている可能性があり、知らないうちに密輸に加担している危険性があります。動物を購入する人がいることでビジネスが成立し、生息地での密猟や乱獲を助長してその動物を絶滅の危機に追い込む、という状況も生んでいます。これは国際的にも問題視されていて、日本は「野生動物の消費大国」と言われています。
リスザル、ナマケモノ、インコやカメなど、ボリビアに生息する動物にも日本で売られている種がいくつもいます。日本がボリビアの生物多様性を脅かすような存在になっていないことを願うとともに、日本に戻った際には地球の反対側で感じた思いを日本の人たちにも伝えたいな、と思っています。
文責 山部 桂子(2024年度2次隊/環境教育/タリハ県タリハ市)
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