2026/05/31 Sun
活動
#182【特別編④】あなたにとってJICA海外協力隊とは?【作業療法士/猪谷】

Q.まずは自己紹介をお願いします。
猪谷あま美です。作業療法士としてラパス県コロイコ市で、発達障害を中心としたお子さんに向けたリハビリテーションセンターで活動しています。配属先は毎日、子どもたちの元気な声に包まれており、子どもの持つエネルギーはすごいものだと改めて感じています。
Q.あなたにとってJICA海外協力隊とは?
『当たり前はないことに気づかせてくれる場所』
ボリビアに来て4か月ですが、それでも当たり前は存在しないのだということに気づかされます。電気、水のライフラインが整っていること、車が通っても砂埃の舞わないアスファルト、蛇口をひねればきれいな水が飲めること、シャワーから水圧も温度もしっかりしたお湯が出ること、そして洗濯機を使って時間を節約できること。こういった設備が整っていることは決して当たり前ではなく誰かのおかげで成り立っていることだったのだと気づかされます。実際コロイコでは、雨が降ると通信が遮断されたり停電することが幾度かありますし、道路はアスファルトではないため頻繁に道に穴ができたり、雨のない日は砂埃に悩まされることが日常茶飯事です。
また道路封鎖で物が届かない可能性を想像すると、都市から離れた場所であっても洗剤や食料品が一通り手に入ることも、非常にありがたいことだと感じます。まだまだ言わせてください。鶏肉を捌かずともすぐに料理に使えること、豆や小麦粉に虫が入っていないか確認せずに使えること、ゴミ捨て場が家の近くにあることなど、日常の細かなところに「おかげさま」が散らばっていることに気がつきます。
一緒に働いていた同僚の突然の退職、施設にいた犬の死、健康に生活できること、常連になりかけたお店の撤退、当たり前に感じていたこと、大切にしたいと思っていたことがここでは消えていくことが多々あります。とても悲しいですが、だからこそ永遠はないこと、そして関係を築いたり日々感謝を伝えたり、一日一日を大切に過ごす必要があることに気づかされます。
そして最後にこの「コロイコ」という任地と出会えたことも、デス・ロードと呼ばれる道を通らずに済むように道が整備されたからこそだと思います。
日本にいたら、日常の様々なことに何の疑問も持たず、ありがたさがわからず生活していたと思います。そんなことに改めて気づかせてくれたのは協力隊の経験、ボリビアの皆さんとの生活があるからです。今私が感謝したいことは、スペイン語がままならずとも最後まで話を聞こうとしてくれる同僚、つらいときに話を聞いてくれる友人、安全に活動ができるよう一番近い存在でいてくれる調整員の皆さん、応援してくれる家族です。人と人とのつながりは決して当たり前でなく、そして言語の壁をも越えられるということを教えてくれました。すべてのことに感謝をして、一日一日を大切に過ごしていきたいです。

文責 猪谷 あま美(2025年度2次隊/作業療法士/ラパス県コロイコ市)
SHARE





