JICA海外協力隊の世界日記

ボリビア便り

#199【特別編㉑】あなたにとってJICA海外協力隊とは?【音楽/田名辺】

Q.まずは自己紹介をお願いします。

こんにちは。ボリビアのコチャバンバ県コチャバンバ市で音楽隊員として活動している田名辺です。私の主な活動は音楽学校でファゴットを指導することで、楽器の基礎や演奏技術を教えています。また、活動外でも声をかけていただいた際には、現地のオーケストラの演奏に協力することもあります。

Q.あなたにとってJICA海外協力隊とは?

『原点』

原点を見つめなおすことができるものだと考えています。

人に何かを伝えることで、自分自身の原点に気づかされました。

学校では、楽器を始めたばかりの子どもたちに教える機会が多く、楽器を吹くための呼吸法から指導しています。また、経験を積んだ生徒たちとは一緒にオーケストラで演奏する機会もあり、写真はその際に撮影したものです。

思うように伝わらず悩むこともありますが、生徒たちを見ていると、技術的には発展途上でありながらも純粋に音楽を楽しみ、積極的に楽器を鳴らしている姿にはっとさせられます。そこには「憧れの曲を吹きたい」「先生に褒めてもらいたい」といった、上手い下手だけではない素直な思いがあります。

日本にいた頃の私は、「上手く吹かなければならない」というプライドやプレッシャーに強く縛られていました。しかし、生徒たちと関わる中で、音楽において本当に大切なのは技術だけではなく、「音楽を楽しみたい」という純粋な気持ちなのではないかと思うようになりました。そしてそれは、私自身が音楽を始めた頃に抱いていた気持ちでもあり、忘れかけていた自分の原点に改めて気づかされました。

また、ボリビアでの生活を通して、人との関わり方についても考えるようになりました。こちらでは、演奏会が予定通りに始まらないことも珍しくなく、本番前でもそれぞれが自分の準備をしながら落ち着いて過ごしています。日本にいた頃の私は、全員が揃っていないだけで不安になってしまっていましたが、ボリビアの「必要以上に人に干渉しすぎない」距離感に触れ、そうした考え方がストレスの多い現代社会では大切なのかもしれないと感じました。

このように、協力隊として様々な人々と関わり、多様な価値観に触れる中で、私は音楽に対する考え方だけでなく、人として大切にしたいことについても見つめ直すことができました。そして、自分が本当に大切にしたかった“原点”に戻ることができたように感じています。

文責 田名辺 麻衣(2024年度2次隊/音楽/コチャバンバ県コチャバンバ市)

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