2026/07/24 Fri
活動
#209【特別編㉛】あなたにとってJICA海外協力隊とは?【コミュニティ開発/蓑田】

Q.まずは自己紹介をお願いします。
サンタクルス県の県庁農業局でコミュニティ開発隊員として活動している蓑田真平です。県内の小規模農家の方々と農作業に取組んだり、所得が向上する仕組みづくりを考えながら活動しています。
Q.あなたにとってJICA海外協力隊とは?
『未来への種まき』
私にとって海外協力隊とは、「未来への種まき」です。
私は日本で地方公務員として働いてきました。行政の仕事は、すぐに結果が見えないことも少なくありません。地域の人たちと話し合い、信頼関係を築きながら、一歩ずつ課題の解決に取り組んでいきます。その積み重ねが、数年後、あるいは数十年後の地域の姿につながっていきます。
ボリビアでの協力隊活動を通して、その考え方は国際協力にも共通していると感じています。
私の活動は農業分野での技術支援です。しかし、実際に現場で感じるのは、技術だけでは人は動かないということです。どれだけ優れた技術や知識があっても、それを伝える相手との信頼関係がなければ、本当の意味で活用されることはないと感じています。
そのため私は、農家を訪問した際には、農業の話だけでなく、家族や地域のこと、市場での取引きの悩みなど、できるだけ多くの話を聞くようにしています。また、配属先でも、業務の話だけでなく、日々の何気ない会話や食事の時間を大切にしています。
そうした関わりの中で、私は日本人として見られています。私自身の言動や仕事への向き合い方を通して、同僚や農家の方々は「日本人とはどのような人たちなのか」を感じ取っています。
だからこそ、私がここで行っている活動は、単なる技術協力ではないと思っています。私は農業技術を伝えると同時に、日本という国を伝えているのです。
もちろん、一人の協力隊員ができることには限界があります。私が教えた技術が将来も使われ続けるとは限りませんし、活動の成果が数字として現れるとも限りません。しかし、人と人とのつながりは残ります。
私が出会った同僚や農家の方々が、「日本人と一緒に働いてよかった」「日本という国に親しみを感じる」と思ってくれたなら、その記憶は長く残るでしょう。そして将来、ボリビアと日本が新たな協力関係を築くとき、その小さな信頼が土台になるかもしれません。
国と国との関係は、政府同士だけでつくられるものではありません。その根底には、人と人との信頼があります。私は今、その信頼の種を一つひとつまいているのだと思います。
農業では、種をまいた人と収穫する人が必ずしも同じとは限りません。自分がまいた種の成果を見ることなく終わることもあります。それでも、未来の実りを信じて種をまき続けることに意味があります。
私にとって海外協力隊とは、技術を届ける活動であると同時に、人と人、そして国と国との信頼を育む活動です。
いつか私がボリビアでまいた小さな種が、両国をつなぐ大きな実りとなることを願いながら、今日も現場で活動を続けています。

文責 蓑田 真平(2025年度1次隊/コミュニティ開発/サンタクルス県サンタクルス市)
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