JICA海外協力隊の世界日記

ボリビア便り

#221 初めての母子ワークショップとボリビアの検査事情【臨床検査技師/大田】

これまでの世界日記では、私自身の活動内容について紹介してきました。今回は、先日初めて参加した、他の隊員の活動先で実施された母子向けワークショップについて紹介します。

このワークショップでは、妊産婦さんを対象に、妊婦健診の大切さや妊娠中に行う感染症検査、ヨガ、栄養などについて、他の隊員と一緒に講義を行いました。私は妊娠中の感染症検査について担当しましたが、初めての対面での発表ということもあり、緊張して原稿を読むだけになってしまいました。それでも、多くの方の前で発表する貴重な経験となりました。また、ワークショップの経験が豊富な隊員の進め方を見て、「どうすればより理解してもらえるか」「どうすれば楽しみながら学んでもらえるか」といった工夫を学ぶことができました。

私の活動計画にはシャーガス病の啓発も含まれており、今回のワークショップでもシャーガス病について少しお話しする機会がありました。ボリビアに来る前は、住環境の改善によって感染者数は減少していると聞いていましたが、実際には今でも多くの感染者がいるように感じています。活動先で実施される健康イベントの迅速検査を見ていても、私が想像していた以上に陽性者が多いという印象を受けました。

現在、臨床検査技師として私が最も大きな課題だと感じているのは、試薬不足です。ボリビアでは多くの試薬を輸入に頼っていますが、私の活動先では在庫管理が十分でないこともあり、試薬が不足して検査が実施できない場面にたびたび遭遇します。その場合、患者さんは別の医療機関へ行き、再度採血などの検体採取を受けなければなりません。そのため、移動や再採血の負担が生じるだけでなく、私立の検査機関を利用する場合は検査費用を全額自己負担しなければならないこともあり、経済的な負担も大きくなります。実際に、中国製試薬の不足により、約2か月間検査が実施できていない項目もあります。

一方で、ボリビアで活動する中で良いと感じたこともあります。それは、公用語がスペイン語であることです。スペイン語は世界中で広く使われているため、スペイン語で書かれた論文や資料を比較的容易に入手し、理解できる環境があります。これは、医療従事者にとって大きな利点の一つだと感じています。

今回のワークショップでは、「伝えること」の難しさを実感するとともに、試薬不足によって必要な検査が実施できないという、ボリビアの医療現場が抱える課題を改めて感じました。今後も、現地の状況を理解しながら、自分にできる活動を一つずつ積み重ねていきたいと思います。

文責 大田 弘美(2024年度2次隊/臨床検査技師/サンタクルス県ラグアルディア市)

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