JICA海外協力隊の世界日記

ボリビア便り

#220 街から物が消えた1か月 ~ボリビアの道路封鎖~【診療放射線技師/横山】

Hola. こんにちは。診療放射線技師として派遣中の横山です。

今回は、ボリビアに派遣されてから半年間で最も印象に残った出来事、「道路封鎖」についてです。

日本ではほとんど経験することがありませんが、ボリビアでは道路封鎖が抗議活動の手段として行われることがあります。道路が封鎖されると物流や人の移動が止まり、人々の生活に大きな影響が出ます。

今年5月上旬から約1か月間、ボリビア各地で大規模な道路封鎖やデモが発生しました。背景には、燃料不足や物価高騰などの経済問題に加え、大統領選挙を巡る政治的な対立があり、その混乱はしばらく続きました。

事実上の首都と言われるラパスは標高約3,600mに位置し、多くの食料や生活物資を他地域からの輸送に頼っています。そのため道路が封鎖されると物流が止まり、上の写真のように市場やスーパーの商品は次々と姿を消しました。商品がなく営業できていない店もありました。

下の写真は、普段ならたくさんの野菜が並んでいる売り場です。道路封鎖中はほとんど入荷がなく、とても寂しい光景になっていました。

最初に牛乳や卵、ヨーグルトがなくなり、その後は牛肉や鶏肉などの肉類もほとんど手に入らなくなりました。さらに加工肉や米、小麦粉まで品薄になり、備蓄の大切さを改めて実感しました。

価格も急激に上がり、多くの食材が通常の23倍、一時は鶏肉が約10倍まで値上がりしました。傷んだ野菜まで高値で売られていて驚いたのを覚えています。保存できる食品を中心とした食生活が続き、ちょうど乾季への変わり目とも重なって体調も崩してしまいました。

燃料不足も深刻で、ガソリンスタンドには何キロにも及ぶ車の列ができ、給油のために何日も並ぶ人もいました。その影響で公共交通機関の運行も減り、普段は渋滞しているラパスの街から車がかなり少なくなりました。ごみ収集車も来られず、中心部でもごみが山積みになっていました。

下の写真は、ガソリンスタンドの列に並びきれなかった車の持ち主が、ポリタンクやペットボトルを置いて順番を取っている様子と、回収されないごみ置き場です。

配属先の病院でも影響は大きく、交通手段がないため患者さんが来院できない日が続きました。また、医療物資や酸素ボンベの供給も滞り、医療現場でも物資不足への対応が必要になりました。

現地の同僚は少しでも安く食料を買うために片道2時間以上かけて買い出しに行っていましたが、協力隊員は安全確保のため遠くまで移動することができず、限られた食材で工夫しながら生活していました。

現在は道路封鎖も解除され、街の様子も少しずつ落ち着きを取り戻しています。ただ、一度上がった物価はなかなか元には戻らず、その影響は今も続いています。

今回の経験から、「必要な時に食料が手に入ること」「病院へ行きたい時に行けること」「物流が止まらないこと」は決して当たり前ではないと実感しました。とても不便で、何もできずにもどかしい1か月でしたが、これも日本ではなかなか経験できない貴重な経験だったと思います。残りの任期も、現地の状況を理解しながら、一日一日の活動を大切に過ごしていきたいと思います。Hasta luego,

文責 横山 春奈(2025年度2次隊/診療放射線技師/ラパス県ラパス市)

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