2025/09/28 Sun
活動
#71 ボリビアで街頭インタビューをしてみたら!?【番組制作/高橋】


バトンリレー第49弾!!
予算がない、人がいない、機材がない、スペイン語が話せない、私はAD(アシスタントディレクターの略。以下AD)じゃない!!
と、『ないこと』ばかりにフォーカスしていても仕方がないので、自ら番組を作ることにしました。
こんにちは。ボリビアで番組制作隊員として活動している高橋望です。
現在はサンタクルスにあるCanal11というテレビ局で番組制作に携わっています。最初の写真は活動するテレビ局でインタビューを受けている時の様子です。番組制作隊員の特権(?)なのか、Prensa(報道制作局)の局長が私の成長記録を撮ってくれています…が、果たしてどこまで成長できるのか…頑張ります…。
さて、ボリビアに来る前は放送作家として情報番組からバラエティ、ドラマの脚本まで様々な番組を手掛けてきました。東京ではN H Kや日本テレビ、フジテレビなどの大規模なテレビ局で仕事をしていたのですが、現在の活動先はとても小規模でファミリー感の強いテレビ局です。最初はこの規模の違いに戸惑いました。そして、ボリビアにはそもそも「放送作家」が存在せず、さらにはスペイン語もままならない日本人が突然、「台本書きます!」と言っても活動先の皆さんも困惑するばかり…ということで、活動開始から2ヶ月程度はADのように毎日、取材班と一緒にロケに行き、とにかくたくさんの現場を経験することから始めました。荷物持ちからバッテリー管理、場所取りや歩行者の誘導…汗だくで駆けずり回る日々。とにかくあらゆる雑用をやるのがADの仕事ですが、まさか地球の反対側で20数年ぶりにやるとは思いもしませんでした(笑)。こんな私を快く取材班に迎え入れてくれてた報道局のみんなには感謝しかありません。
そしてこちらの写真は、8月のボリビア大統領選挙後にサンタクルスの投票集計センターを取材した時のものです。セキュリティが厳重で、いつもは賑やかなイベント施設がガランとしていたので記念に撮影しました。普段なかなか入れない場所に入れちゃうのも、これまた番組制作隊員の特権かもしれません。


取材で様々な人と会い、話すのはもちろん楽しいのですが、ふと「私、ADやりにきたわけじゃないんだよな」と我に返り…3ヶ月目からは積極的に番組企画を提案。プレゼンの末に、お昼の番組に自分のコーナーを作らせてもらえることになりました!!しかし、小規模なテレビ局なので『基本的に全部一人でやる』ことが大前提。私が提案したのは街頭インタビュー的な企画ということで、自分で三脚とカメラを持って街に行き、カメラポジションを決め、取材対象者の立ち位置をバミったら(床にテープなどで目印を付ける作業)、道ゆく人に声をかけ取材交渉、そして撮影していきます。ボリビア人の同僚が一人付き添ってくれましたが、私が驚異的なスピードで撮影のセッティングをすることや(番組制作は段取りが命です!)、スペイン語がままならないのに道ゆく人にとにかく声をかけまくって取材協力をお願いする様子に驚愕していました。街頭インタビューはとにかく声をかけないと終わらないのです…。ぶっちゃけ、日本でも難しい街頭インタビュー。ボリビアで、しかもスペイン語でやるのは私にとってはハードルが高いですが、せっかくつかんだチャンスを逃したくない一心で、無我夢中でロケをしました。この日は30人以上を撮影。カメラの前に立った人が笑顔で話せるように、テンション高く頑張りました。


言葉を生業としている放送作家が、地球の反対側で言葉を奪われたらなにもできない…と自分の語学力の低さを嘆くこともありました。しかし言葉の壁以上に、やっぱり番組を作るのは楽しい。そう、クリエイティブってシンプルに楽しいんですよ。小さい局だからこそ、こうやってチャンスももらえるのだと思います。ささやかな一歩ですが、自分のコーナーを作れたことは大きな自信になりました。さて、次はどんな番組を作ろうかな!!
文責 高橋 望(2024年度3次隊/番組制作/サンタクルス県サンタクルス市)
➡➡ 到着して間もない2025年度1次隊の皆さんにバトンパ〜ス
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