JICA海外協力隊の世界日記

ボリビア便り

#60 鳥類学会に参加し、コンドルを見てきました!【環境教育/山部】

バトンリレー第38弾。タリハ県で環境教育隊員として活動中の山部です。先日、任地タリハでボリビアの鳥類学会が開催されました。私も配属先の方と一緒に参加させてもらうことができ、貴重な経験ができたのでその時の様子をご紹介したいと思います。

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学会は合計4日間の日程で、タリハ市内の大学で開催されました。学会といっても堅苦しいものではなく、参加者も2030人程度でアットホームな雰囲気でした。発表者は大学生や研究者をはじめ環境保全団体や市役所の職員、エコツーリズムを行っている団体などいろいろで、研究対象の鳥も小鳥から猛禽類、コンドル、フラミンゴ、コンゴウインコなど多岐にわたっていました。ボリビアで生まれたフラミンゴがペルーやアルゼンチンなどに移動するのを追跡して数えたり、ゴミの集積所にやってくる野鳥の種類や行動を分析するなどテーマも様々。私の拙いスペイン語力では内容をしっかりと理解することは難しかったですが、いろいろな鳥の貴重な画像もたくさん見ることができ、とても興味深かったです。毎日最後にはグループワークがあり、出されたテーマについて各グループでまとめて共有するという作業が行われていました。

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そして、最終日はタリハにあるアンデスコンドルの保護区を実際に訪問するというプログラムでした。私の配属先のタリハ市動植物園でもアンデスコンドルが飼育されているため(写真上部)、毎日その姿は見ているのですが、野生のコンドルを見られるかもしれない!めちゃくちゃ見たい!!!とワクワクしながら参加しました。



車で市内中心部から40分ほど移動すると景色が一変し、ほどなくコンドルの保護地区に到着しました。コンドルのモニュメントがあり、この地域特有のQuebrachoという木が植えられてきれいに整備されています。実はここは2021年に34羽ものコンドルが死んだ場所。住民が家畜を襲う野良犬を駆除するために毒入りのエサを撒き、それを食べて死んだ犬の死骸をコンドルが食べて大量死したという出来事があった場所なのだそうです。その出来事をきっかけに法令が作られ、コンドルの保護や保護地区の整備が始まったということでした。

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そこから10分ほど車で移動した後、タリハ市の担当者やガイドの話を聞きながらさらに徒歩で山を登っていきます。見渡す限り延々と山脈が続き、日本とは全く違う雄大な風景に感動しつつ30分ほど歩いて展望台に到着。みんなで記念写真を撮ったりしながらコンドルが現れるのを待ちます。が、風がないとあまり飛ばないコンドル、現れる気配がありません…。もう今日は来なさそうだということで諦めて歩き始めた頃、ようやく風が出てきました。そして、誰かが「Viene viene(来た来た)!!」と叫びます。

来ました、コンドル!!

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山の向こうから1羽、2羽とやってきて、最終的には全部で7羽くらいやってきたでしょうか。上空を旋回しながら私たちの様子を見ているようでした。アンデスコンドルは翼を広げると3mほどあるかなり大きな鳥ですが、さすがにスマホではほぼ黒い点にしか撮影できず。でも特徴的な翼の形を肉眼でもはっきりと見ることができました。同行していた鳥類学者たちも大興奮で、みんなで大いに盛り上がりました。神聖な存在としてアンデスの伝説や神話に登場し、ボリビアの国旗にも描かれているアンデスコンドルですが、岩だらけで植物もまばら、生き物の気配がほとんどないような場所で悠々と飛んでいる姿はとても力強く、実際に生息地で見ることができて非常に感動しました。

ボリビアの鳥類学会は2年に1度の開催とのことで、残念ながらもう任期中に参加する機会はありませんが、熱帯のアマゾンからアンデスの高地まで、鳥類を通してボリビアの自然の多様さを感じた4日間でした。

文責 山部 桂子(2024年度2次隊/環境教育/タリハ県タリハ市)

➡➡ 栄養士隊員の記事に続く...

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