2025/09/05 Fri
料理 栄養士 食事
#61 大切にしたい食と、ボリビアでの生活【栄養士/種瀬】


バトンリレー第39弾!!
ボリビアで活動している、栄養士隊員の種瀬柚季です。
任地は、サンタクルス県にある小さな山間の町・サマイパタ市(標高約1,650m)です。名前はボリビアの公用語の一つであるケチュア語で「休む場所」を意味し、その名の通り穏やかな気候と豊かな自然環境が魅力です。また、世界遺産をはじめとする観光資源に恵まれた地域です。果物や野菜、ワイン、コーヒーなどの農業も盛んで、国内外からの移住者も多く、国際的な雰囲気を持つ地域です。
私は現在、サマイパタ市を含むフロリダ郡の地域保健事務所(郡レベルで保健サービス・情報の管理・調整を担う機関)に配属されています。ここでは、各保健センターのワクチン管理・患者数などの統計データの集計、市場の衛生管理、保健関係者への研修等の業務が行われています。
「肥満者が多い」ことが課題として挙げられており、学校や市場、保健センターをフィールドに、食習慣の改善につながる活動を進めています。
こちらの写真は、配属先の同僚や上司、そして群庁の職員の方々です。8月6日の建国記念日に、行進に参加した時の様子を撮影しました。活動で悩んだ時には、相談に乗ってもらい、様々な意見やアドバイスをもらっています。日常生活では、一緒にバーベキューをしたり、ときにはお酒を飲みながら歌って踊ったりすることもあります。公私にわたり暖かく迎えてくださり、サポートしてくださる方々がいるおかげで、ボリビアでの生活はより豊かで充実したものとなっています!
今回は、私の生活を支えている「食」について、紹介したいと思います。
栄養士になった理由のひとつは、「食べることが好き」ということでした。そのため、任地でおいしいものを食べることは、生活の楽しみであり、元気の源でもあります。
ボリビアに来る前は「日本食が恋しくなるだろう」と思い、日本食をスーツケースに詰めてきました。ただ、任地のサマイパタ市には、日本の野菜や味噌、醤油、豆腐等を購入することが出来る「浅野さんの農園」があり、現地でも日本食をつくることが出来ています。
この農園は、日本からボリビアに移住された浅野さんご夫婦が始められました。農業を主に行っていたご主人は数年前に亡くなられたため直接お会いしたことはありませんが、現在は孫一家が中心となって運営しています。3世代にわたって続いている歴史や、現地の人々からの厚い信頼も、この場所の大きな魅力です。ボリビアでの私の健康を保つためにも、大切な場所となっています。


ここでは、大根やキャベツ、トマト、ほうれん草、ごぼう、里芋、かぼちゃ等、日本でも馴染みのある新鮮な野菜を手に入れることが出来ます。農薬を使用せず栽培されているため、時には虫やナメクジも一緒についてくるのですが、安心して食べられる貴重な野菜です!
こちらは、ある日の朝食です。大学時代の先生方に見せたら怒られそうな盛り付け方をしていますが、海外で活動するリアルな一面かつ、朝だったということで、ご容赦ください(笑)。
この日は、大根の葉でつくったふりかけを混ぜ込んだおにぎり、ブロッコリー、かぼちゃの煮物、鶏肉の炒め物、熟した柿とヨーグルト、小松菜と落とし卵のみそ汁を用意しました。特に、ボリビアのかぼちゃは水分量が多く、煮物をつくるのに適していないのですが、「浅野さんの農園」で採れるかぼちゃは日本のかぼちゃそのもので、大好きな煮物を再現できた時は感激しました。浅野さんの農園で手に入る野菜を使い、日本で食べていたような食事を再現できるのは生活の大きな楽しみです。


こちらの写真は、作った料理をボリビア人や日本人ご家族にお裾分けした時の写真です。喜んで受け取っていただけますが、時には「どんな材料を使っているの?」と調理方法を尋ねられることもあり、日本食をきっかけに会話が広がるのを感じます。こうしたやり取りは、日常生活の中で自然な交流につながっています。
ボリビア料理はとてもおいしいのですが、味付けが濃く油を多く使うこともあります。だからこそ、日本の「野菜を活かした料理」や「油を控えた調理法」は、肥満対策や健康づくりのヒントになると感じています。
残りの任期では、学校や市場での活動にこうした工夫を取り入れ、現地の人々と一緒に作りながら、健康的な食習慣づくりを進めていきたいと考えています。生活の一部である「食」を通じて、少しでも地域住民の健康に貢献できるよう努めたいと思います。
文責 種瀬 柚季(2024年度2次隊/栄養士/サンタクルス県サマイパタ市)
➡➡ 看護師隊員の知念さ〜ん、お願いします!
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