JICA海外協力隊の世界日記

ボリビア便り

#77 "アンデスの風"サンポーニャ ~私も今日からzampoñera!~【小学校教育/牧野】

バトンリレー55

こんにちは!チュキサカ県スクレ市で小学校教育隊員として活動している牧野です。

ボリビアに来てから約2ヶ月半が経ちました。まだまだボリビアでの生活やスペイン語、配属先での活動に慣れることに精一杯の毎日の中で、よい気分転換になっているのが、サンポーニャの練習です。

実は楽器の演奏が大好きな私。子どもの頃からボリビアに来た数ヶ月前まで、バンドや楽団に所属してトロンボーンやキーボードを演奏していました。また、旅先や滞在先の楽器に触れるのも好きで、今までオーストラリアのディジュリドゥや中国の二胡などにも挑戦してきました。

そんな私がボリビアで絶対にやりたかったことの1つが、アンデス楽器の演奏!アンデスの楽器には様々な種類があるのですが、スクレ市に到着して間もなく近所に楽器屋さんを発見した私は、中でも特にやってみたかったサンポーニャケーナを購入しました。

買ってきてすぐに吹いてみました。サンポーニャは息を入れれば比較的簡単に音を出すことができましたが、ケーナは音すら出せない!これは練習が必要だ!!サンポーニャはまぁ気が向いた時にちょちょいと吹いて楽しもう…と、サンポーニャを完全に甘く見ていた私。ところがいざ何か曲を吹いてみようとしたところ、これがもう、とっても難しい!!

というわけで、私が感じたサンポーニャのここが難しい!」を紹介します。

1.音ごとに吹く管を変えないといけない!

サンポーニャは長さの異なる竹や葦の管を、二段に並べて束ねた楽器です。各管がそれぞれ1つの音を出す仕組みになっています。リコーダーやトランペットなどのように、指を押さえる位置を変えて音の高さを変えるのではなく、音を変えるたびに頭を上下左右に動かす必要があるんです。狙った管を、正しい口の形で、正しい息の角度で吹かなければ良い音は出ません。さらに、メロディがなめらかにつながるように演奏するのもとても難しいです。

2.左手側に高い音、右手側に低い音

ピアノの鍵盤を思い浮かべてもらいたいのですが、ピアノの鍵盤って左にいくほど音が低くなり、右に行くほど高くなるような配置になっていますよね。ところがサンポーニャは反対で、左手側にいくほど管が短く、つまり音が高くなっています。左手側が低い、という感覚に慣れてしまっていると、ついつい出したい音の反対の方向へ頭を動かしてしまいます。

そんなサンポーニャですが、ボリビアの小学校では音楽の授業で習うこともあるようです。私の活動する小学校では、34年生でサンポーニャ、56年生でリコーダーを学習しています。子どもたちの楽譜を見てみると、数字で書かれた楽譜(数字譜)を使っていました。写真のARKAが上の段、IRAが下の段、数字はそれぞれの段の左から何番目の管かを表しています。五線譜が読めなくても学びやすいことからリコーダーより前に学習すると聞き、なるほど!と思いました。なにより、小さい頃から自分の国の伝統楽器に触れられるなんて、ステキですよね!

サンポーニャは「アンデスの風」と呼ばれます。息を管に吹き込んだときの音がアンデスの山々を吹き抜ける風のようで、どこか哀愁漂うその音色が私も大好きです。学校の子ども達に負けないようにたくさん練習して、ステキなzampoñera(サンポーニャ奏者)を目指します!

文責 牧野 花純(2025年度1次隊/小学校教育/チュキサカ県スクレ市)

➡➡ 続いては、サンタクルスにいる蓑田さんにバトンタッチ!

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