2026/05/01 Fri
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#167 スペイン語より先に伝わるもの【コミュニティ開発/蓑田】

Hola!(こんにちは)
サンタクルス県庁農業局(SEDACRUZ)でコミュニティ開発隊員として活動する蓑田真平です。
2025年8月末にサンタクルスに赴任し、約7か月が過ぎました。ここまで大きな戸惑いや壁にぶつかることなく生活できているのは、周りの環境や人々に恵まれているからだと感じています。今回は、日々の暮らしの中で感じる、現地でのコミュニケーションについて紹介します。

赴任したばかりの頃は、初めての異国での生活に期待と不安が入り混じっていました。路上の屋台、にぎやかな市場、廃水が処理されずに川に流れ泡立っている様子など、目にするもの全てが新鮮でキラキラして見えました。
しかし、半年ほどたった今では、それらもすっかり日常の風景になりました。 日本では少し驚いてしまいそうな屋台で食事をしたり、市場の店頭に吊るされた肉を目にしたり、雨が降るたびに毎回排水が追い付かず川のようになる通勤路。 そんな環境にも溶け込み、今では不自由なく生活しています。
ボリビア着任当初は日本食が恋しくなることもありましたが、今では現地の環境や文化にすっかり慣れました。ボリビアでは、お米が日常的に食事で提供されるので、全く食事にもの寂しさを感じていません。細長い長粒米でも、私にとっては「米がある」というだけで十分です。そんな自分の単純さに少し照れつつも、幼少期に食事について厳しく教えてくれた祖母に、改めて感謝しています。
私の感覚が特殊なのかもしれませんが、日本と同じような感覚で日々生活できています。活動でも、時間通り計画通りに進むこともあればそうでないこともあります。陽気で明るいいわゆる“ラテン気質”を感じる人もいれば、真面目にコツコツ働く人もいます。パーソナルスペースが極端に近い人もいればそうでない人もいます。
一番身近で一緒に仕事をしている同僚は、いわゆる“南米のノリ”は感じられなくてクールなタイプです。しかし、最近は彼女の笑いのツボが分かってきて、毎日2つ3つ程度は笑いをゲットすることに成功しています。他に清掃担当のセニョーラ(年配の女性職員)のツボもしっかり抑えています。

結局のところ、「南米だからこうだろう」と決めつけるのではなく、国や言葉が違っても、人は一人ひとり違うのだと実感しています。もちろん、日々の中で驚くことや戸惑うこと、時には悲しくなること、喜びを感じることもたくさんあります。言葉の壁は確かにありますが、逆に言葉が通じればすべて理解し合えるわけでもありません。言葉以外の表情や振舞い、所作、言葉のトーン(意味は全部わからなくても)からも感情を読みとることの大切さは、日本人同士でも同じだと思います。そんな当たり前のことを、ここボリビアで、私はより強く感じています。
赴任当初は、基本的にノーと言わずにほぼ全てのものを広い心で受け入れてきました。しかし、ここからは反転攻勢。農家支援という観点から、日本での行政経験も活かしながら自分なりの発案をし、少しずつ活動の幅を広げています。スペイン語での日常会話にも少しずつ慣れてきて、同僚との雑談は毎日の楽しみの一つです。私も簡単な日本語を少しずつ教えています。
ボリビアの行政機関という環境もあってか、職員の異動は毎月のようにあります。しかし見方を変えれば、それは新しく来た職員に自分の考えを伝えたり、活動の意義を共有したりできるチャンスでもあります。何事もポジティブに受け止めるように努めています。
とはいえ、掃除担当のセニョーラが、突然15時のおやつに手作りの“フリカセ”をデスクまで持ってきてくれたときはノーと言わずに受け取ります。
“フリカセ”=豚肉のピリ辛煮込みスープ

え、この時間に?なんて顔には出さないし、思っても口にしません。 「Hoy puedo almorzar dos veces! ¡Gracias!」 ※今日は昼ごはんが2回食べられるぜ!ありがとう!!
そして今日も職場は笑いに包まれます。
文責 蓑田 真平(2025年度1次隊/コミュニティ開発/サンタクルス県サンタクルス市)
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