JICA海外協力隊の世界日記

ボツワナ便り

村の商品が観光地に並びました!

ドゥメラ!(ツワナ語でこんにちは!)
コミュニティ開発隊員の井上です。

このたび、私が活動しているトノタ村で作られたローカル商品が、観光地のカサネ(チョベ国立公園で有名)とマウン(オカバンゴデルタで有名)のお土産屋さんで販売されることになりました!

本日は、その実現までの道のりをご紹介したいと思います。

ボツワナでは、都市部と村落部の間に大きな経済格差があり、政府の支援に頼って生活している人も少なくありません。

私は県庁に配属され「貧困削減プログラム(Poverty Eradication Program)」の一環として、小規模ビジネスの支援に携わっています。

支援対象者には、飲食業、縫製業、生活雑貨の店舗など、さまざまな分野の方がいます。

これまでに約50軒の支援対象者を訪問し、月々の収支や事業の課題についてヒアリングを行ってきました。
そして約8割の方が「この村ではビジネスが成り立たない」と感じていることがわかりました。

そんな中、私は特に縫製業を営むテーラーさんやレザークラフトマンの方々に対して、国内外から訪れる観光客、特に伝統や手仕事の価値を認めてくれる外国人をターゲットにした商品作りを提案しました。

他のコミュニティ開発隊員とも協力して作成した「商品カタログ」には、お土産に最適な各地の村の商品を集めています。

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これらを活用し、国内を旅行した際にはロッジやお土産屋さんに積極的に営業をかけてきました。
その活動が実を結び、ついに観光地であるカサネとマウンの店舗にトノタの商品を置いてもらえることになったのです!

商品づくりの道のりも、決して平坦ではありません。

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「この日のこの時間に取りに行くね!」と約束しても、いざ行ってみると「よく来たね、じゃあ今から作るよ」と言われることもしばしば。

結局、仕立て屋さんの隣に座って一日中おしゃべりしながら一緒に作業することもあります。
(もちろん、きちんと期限を守ってくれる方もたくさんいます。)

「このサンプルと同じものを作って」とお願いしても出来上がったものは柄もチャックの向きもサイズもバラバラ、、、ということも。

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個人的には、一点物の手作り感にも魅力を感じます。

とはいえ、お土産屋さんに並べる以上、ある程度の品質の統一が必要です。
そのため、作り手の方々に「きちんと伝える」ことを心がけて取り組んでいます。

村の人々にとっては、村の外、特に外国人のお客さんの感覚はなかなか想像しにくいものです。

そんな中で、「こういうものが喜ばれるよ」と伝えたり、橋渡しをしたりすることで、少しでも視野が広がるきっかけになればと願っています。

今後は、さらにニーズに合った商品開発や販路の拡大、品質管理の強化に取り組むとともに、作り手の思いやストーリーも商品とともに届けていきたいです。

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