JICA海外協力隊の世界日記

ボツワナ便り

ボツワナで木を育てよう! ―樹木関連の活動を開始しました―

2026年度1次隊、林業・森林保全のシニア隊員として、Botswana National Tree Seed Centre に配属された袴田哲司(はかまた てつじ)です。日本では、公立試験研究機関で長らく林木育種や林業用種苗、造林を対象に研究業務に従事してきました。日本は森林が豊かで世界有数の林業が盛んな国ですが、ボツワナは乾燥地が多いためか森林面積の比率が低く林業もそれほど盛んではありません。しかし、政府の組織として首都ハボローネには樹木の種子を扱うTree Seed Centre があり、全国21ヶ所に配置されている Nursery では苗木を育てています。これらの機関が、ボツワナの林業の活性化や森林保全を担う最前線の業務を行っています。まだ Tree Seed Centre に配属されて間もないのですが、ボツワナの林業や森林保全の実情を知ってもらうため、活動内容の一部を紹介したいと思います。

Tree Seed Centre と Nursery の業務

Tree Seed Centre では、スタッフ自ら自然林へ出掛けて樹木の種子を収集したり、全国各地の Nursery から送られてきた種子を保存・管理したりしています。また、収集した種子の品質を確認するために発芽試験を行っています。発芽試験で合格した種子を梱包し、各地の Nursery へ配布することも業務の一環です。Nursery では配布された種子から苗木を育て、植林用として供給しています。

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自然林での種子採取

Tree Seed Centre は種子を扱う機関ですので、当然ですが種子集めは重要な業務です。そのため同僚とともに幾度かハボローネ近くの自然林に立ち入り、種子の採取に出掛けています。主要幹線道路を外れ、未舗装の道を車で走っていくと原野が広がっています。そこに自生している有用な樹木から種子を採取します。採取する自然林は放牧地としても活用されているため、さすがに猛獣にこそ出会いませんが、小動物や日本では見られないような植物を見ることができ、移動中はさながらミニサファリのような感じです。高台に登ると自然林を見渡すことができ、アフリカにいることを実感できます。

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食用果実が実る樹種

業務の対象となる樹種は数十種ほどあるのですが、まずは2種類を紹介したいと思います。一つ目は Mmupudu:ムプードゥ(Common red milkwood)と呼ばれている樹種です。一見するとキンカンのような実を付けますが、柑橘類ではありません。水分が少ない感じがしますが甘い果肉を生食することができます。先日、ステーションモール周辺の出店でこの果実が袋詰めで売られていましたので、ボツワナでは一般的に食べられているようです。次に紹介する木は Mogorogorwana:モホロホラァナ(Corky-bark monkey orange)です。果実は木質化した非常に硬い殻を持っていますが、中心部には甘酸っぱい果肉と種子が詰まっています。果実の大きさに比べて果肉の量は少ないのですが、実においしくみずみずしいものでした。野菜を育てにくい乾燥地帯では、自然林から得られるこれらの果実は貴重なビタミン源になっているようです。

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今後に向けて

海外協力隊の職種として、林業・森林保全は募集案件が稀で、派遣隊員が少ないという実情があります。そのため、活動内容があまり知られてないかもしれません。しかし、地域の産業を促進し、自然環境保全にもつながる重要な職種です。2年間の活動期間において、日本で長年培った技術や知見を Tree Seed Centre の同僚とともにボツワナの森林のために活かしたいと考えています。また、今回は食用となる樹種の紹介のみでしたが、ボツワナには建築や家具、薬用として使える樹種も多数あるため、随時情報発信していきたいと思います。

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