JICA海外協力隊の世界日記

ボツワナ便り

ボツワナ初 !インクルーシブアート展の開催

デュメラン。障害児・者支援で小学校特別支援学級に派遣されている菅井です。ボツワナに来て1年10か月目になりました。

9月13日から20日までの7日間、ボツワナの首都ハボロネにある国立博物館で、障がいのある子どもたちや障がい者、そしてボツワナ在住の日本人やボツワナ人アーティストによる作品、さらに私の地元山形の福祉施設から届いた作品など約200点を展示するインクルーシブアート展を開催しました。期間中には延べ800人近い来場者が訪れ、大盛況のイベントとなりました。今回は、ボツワナでどのようにこの美術展を実現したのかをご紹介します。

場所選び

障がい者が主役のアート展をボツワナで開催したい。今年の1月、まず取り組んだのは展示会場探しでした。条件は「会場費が無料」で、「1週間以上展示できる」こと。さまざまな施設にメールや電話で問い合わせましたが、返事がなかったり断られたりすることが続き、あっという間に1か月が過ぎていきました。 そこで方針を変え、直接施設を訪問して担当者と話をすることにしました。 国立博物館は、博物館と美術館が一体となったような施設で、メインモールにも近く、多くの旅行者が訪れる場所です。担当者に企画の趣旨を説明したところ、「障がい者のための取り組みならぜひ協力したい」と快く賛同していただき、無料で会場をお借りできることになりました。 同時に、JICAボランティアの仲間たちにも声をかけ、美術展実行委員会を立ち上げました。信頼できる心強い仲間たちの協力があったからこそ、今回のイベントを成功に導くことができたと思います。実行委員会のメンバーと計画を練り、JICAボツワナ支所の支援も受けながら準備を進めていきました。

そして5月、新たな展開が訪れます。

教育省の参加

教育省にインクルーシブアート展の説明を行う機会をいただきました。 今回の美術展を一度きりのイベントで終わらせるのではなく、来年以降も継続して開催される取り組みにしたいと考えていたためです。 教育省との打ち合わせは、最終的に5回ほど行いました。また、関係者によるワーキンググループを立ち上げ、SNSを活用して連絡を取り合いながら準備を進めることになりました。

ランチがないと来られない?

美術展開催まであと1か月となり、作品の収集や展示レイアウトの検討、開会式の来賓選定など準備も大詰めを迎えていました。そんな中、新たな問題が発生しました。

学校の生徒たちを美術展に招待するには、昼食を準備しなければ参加できないというのです。 私は担任の先生方に、「日本では遠足の際には保護者がお弁当を持たせることが一般的です」と説明したり、「開会式は午前中で終了します」と伝えたりしましたが、状況は変わりませんでした。他の隊員たちからも、ランチの問題で参加が難しくなっているという話を聞きました。 「生徒たちの参加は難しいかもしれない」と思っていた矢先、開会式の数日前になって教育省が特別に参加生徒の昼食代を負担してくれることになりました。

そして迎えた開会式。当日は多くの来賓や生徒たちが参加し、素晴らしい式典となりました。しかし、開会式に参加した生徒たちの多くは、終了後にランチパックを受け取ると、自分たちの作品が展示されている展示室に立ち寄ることなく、そのままバスに乗って帰ってしまいました。 せっかくなら作品も見てほしかったのですが、これもまた文化や環境の違いを感じた出来事でした。

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賑わった美術展

美術展は開催期間中、平日も多くの来場者で賑わい、1日平均100人以上が来場しました。

また、連日さまざまなワークショップを開催したことで、子どもだけでなく大人たちにもアートを楽しんでもらうことができました。 何よりうれしかったのは、作品を制作した本人やその家族、親戚、友人たちが会場を訪れてくれたことです。

アートには、障がいや国境を越えて人々をつなぎ、感動を共有する力があります。この美術展を通して、その力を多くの人に感じてもらえたのではないかと思います。

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