JICA海外協力隊の世界日記

ボツワナ便り

卒業セレモニー

Dumela! ボツワナの小学校で活動している井口昭夫です。

みなさん、日本の小学校で一番大切にしている学校行事は何だと思いますか? それは、「卒業式」です。お世話になった方に成長した姿を披露し、感謝の気持ちを伝える会です。日本中どこの学校も、全校児童で立派な式になるよう一生懸命に練習します。これが日本の当たり前です。

今回は任地のSerameng小学校の「卒業セレモニー」を紹介します。あまりの違いにびっくりでした。なお、ボツワナの学校は1月始まりの3学期制で、終了は12月。また日本と違い、1年生から7年生まであります。そして、7年生の卒業セレモニー(在校生や保護者の方は参加していませんでした)は10月中旬になります。

当日はボツワナタイムで始まりました。まず来賓が遅刻。中庭で開催されたのですが、子ども達は着席してから、1時間以上も待たされました(日本ではありえないことです)。お祝いの言葉に続き、私も練習を始めたばかりのギターに合わせて歌をサプライズプレゼントしましたが……見事大失敗!でもお祝いのメッセージは伝わったと思います。

その後は、卒業生による余興が始まりました(参加者はみんな女子!がんばれ男子!)。

ボツワナらしいと思ったのは、「ファッションショー」です。一番のお気に入りの洋服や、きっとお母さんのものであろうドレスを着てお化粧をし、ステージに座っている来賓の周りを音楽に合わせてモデルのように歩いていました。中には金髪のエクステンションをつけ、ハイヒールをはいている女子もいました。気分はパリコレですね。他にも「口パクカラオケ」や流行りの「ダンス」など盛りだくさんでした(ダンスは1日前から練習し、当日の朝も頑張っていました)。

見ている卒業生は自由に席を立ち、トイレに行ったり、アイスクリームを学校の外から買ってきたりしていました。もちろんアイスをなめながら見ています。そして最後の来賓お祝いの言葉で終了となりました。

セレモニーが終わった後は、ケンタッキーフライドチキンとフライドポテト、ジュースのお昼を食べて終了。自由に解散です。これで小学校生活7年間の終わりとなります。

何ともあっけない感じで終わってしまいました。 

日本の小学校のあの独特な雰囲気や、あの式の流れが当たり前だと思っているからびっくりするのであって、きっと日本の卒業式も世界から見たら、きっとびっくりされるんだろうなと考えていました。ボツワナの先生が日本の卒業式を見たら、どう思うのでしょうか!?

また、卒業セレモニーの前日までは、日本の大学受験のような雰囲気で1週間くらい小学校最終試験が続きます(これは翌年全国に、学校ごとの結果が発表されます)。試験を始める前は、7年生だけ毎朝早く登校し、朝会をして気合を入れていました。試験会場も普段と違う教室です。これは、これで小学生から中学生にかわる通過儀礼みたいでいいなぁと思って見ていました。

「国が違うとここまで違うのか!」と、思いを強くした1日でした。日本の卒業式が懐かしくなりました。教職最後も卒業生の担任だったのですが、あの子ども達も元気にしているかなぁ!?

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