JICA海外協力隊の世界日記

ボツワナ便り

コーヒーショップ開店~特別支援学級の子どもたちと一緒に~

首都からバスで1時間ほどのところにあるモレポロレの小学校の特別支援学級に派遣されている菅井嘉代です。ボツワナに来て10か月目になります。

今回は、特別支援学級の子どもたちと一緒に、小学校の中でコーヒーショップを開店したことをお伝えします。

派遣されて6か月目になったとき、子どもたちの職業訓練の一環として、コーヒーショップをやってみたいと特別支援学級の主任に相談しました。主任は賛成しながらも「ボツワナ人はコーヒーよりも紅茶の方が好きだよ。特にルイボスティーが好きだよ。」と一言。 

「本当?」

そこで「コーヒーと紅茶のどちらが好き」と先生方に調査をしました。結果はどちらも同じぐらい。若い先生方のなかには、ルイボスティーが嫌いと言う人もいて、結局は人それぞれの好みだとわかりました。

次に、コーヒーの感想を聞くことにしました。校長室に来たお客さんに、レギュラーコーヒーを試飲してもらいました。ほとんどの人がインスタントコーヒーしか飲んだことがないようで、「苦い」を連発。砂糖をスプーン3杯も入れて飲む人もいて、最後はインスタントの方がおいしいとコメントをもらいました。インスタントかレギュラーか悩みましたが、お店で出すのは、やっぱりレギュラーコーヒーにすることにしました。コーヒーの粉は、スーパーで250g1,000円ぐらいで売っており、決して安くはありません。単価計算だと1杯25円ぐらいになります。でも、ここは勝負に出ます。

メニューはレギュラーコーヒーと紅茶の2つ、お好みでミルクと砂糖をつけて、1杯5プラ(約55円)に決定しました。

次にコーヒーショップの名前です。子どもたちに決めてもらうことにしました。はじめは、「Nescafe」とか「Jacobs」などメーカーの名前しかあがりませんでした。最終的には、『Moon Latte』 に決定しました。早速、子どもたちとチラシを作り、敷地内に掲示しました。開店時間は毎週木曜日の昼休みの30分間にしました。

先生方に手伝ってもらって、お揃いのエプロンも作りました。そして、学級のなかから選ばれた子どもたちを集めて、接客の練習をしました。

いざ、開店初日です。この日はお客さんがたった1人だけ来てくれました。スクールバスの運転手さんです。良かった… 初日の売上は5プラ(約55円)。でも、子どもたちは笑顔です。

次の木曜日。校長からアドバイスを頂き、手作りクッキーを飲み物のおまけとしてつけることにしました。さらに、クッキーも2枚1プラで販売しました。職員のWhatsApp でも宣伝しました。そして、2回目はなんと、前回の5倍の売り上げを達成することができました。と言っても、売上は27プラ(約300円)です。

2か月間コーヒーショップを開店させましたが、1回の平均売り上げは18プラ(約200円)。はっきり言って赤字です。

実はライバル店との競争があるのです。なんと同じ時間に、学校の職員が同じ校舎内でスナック菓子やキャンデーを1~2プラで販売しており、こちらは毎日、子どもや先生方が行列を作って買っています。なんということでしょうか。

特別支援学級の子どもたちは食べ物屋さんをするのが大好きです。しかし、準備が多いわりには利益が少ないです。

また、衛生面にも気を使わなければいけません。

職業訓練の一環で取り組んでいるとはいえ、今後も持続可能な運営ができるように、さらなる工夫が必要だと感じています。

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