2026/08/10 Mon
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狩猟採集民族「サン」の人々から学ぶこと

皆さんこんにちは!
トロクウェン・環境教育隊員の中屋美里です。
赴任してから1年9ヶ月の間、髪を切っていないため髪の毛が伸びて、同僚から「長すぎるから切ってあげるよ。その切った髪を娘にあげようと思う。」と言われており、逃げ回って過ごしている今日この頃です。
今回はボツワナの狩猟採集民族「サン」の人々についてです。
私とサンとの出会いは、とあるバラエティ番組がきっかけでした。その番組ではサンの人々の暮らしをセーラー服を着た太眉の芸人が体験するというもので、その映像を見た時に「死ぬまでに絶対会いに行きたい!」と思いました。
それから4年後、念願叶ってサンと会うことができました。人生パルプンテ!幸せ者です。
サンと呼ばれる人々は、ボツワナやナミビアのカラハリ砂漠でかつて狩猟採集をしながら暮らしていた民族です。現在ボツワナには全人口の3%ほどの約1,600人が暮らしています。
サンの中にも、グイやガナ、ナロやセカウカウなどといった人々がおり、それぞれ違った言語を使っていて、クリック音という独特な発音が特徴的です。
そんな狩猟採集民族のサンですが、1997年から政府によって始まった国民の生活保護と野生動物の保護を目的とした定住政策により、現在狩猟採集は禁止されており、定住生活をしています。IDカードも支給され、子どもたちは学校に通うようになったりと生活は一変したそうです。
そうした変化に適応する人もいれば、年齢が上の人々の中にはかつての狩猟採集の暮らしに戻りたいと願う人もいるそうで、とても複雑な気持ちになりました。
サンの人々の特徴として、以下のような特徴があります。
- ・個人所有をしない(持っている人は持っていない人に分ける)
- ・穏やかな性格で争いを好まない
- ・ものを管理することをしない
- ・平等主義
- ・一緒に行動することを大事にしている(一人だけ目立つことは恥とされる)
政府からヤギや牛が配られ良い生活があるらしいと期待していたサンでしたが、家畜の管理に不慣れなために逃がしてしまうことが多く、空腹に耐えかねて、発酵させて作る地酒を飲んで、酔っ払っては殴り合いの喧嘩をすることもあるとのこと。温厚で平等主義、持っているものは分配されていく文化がありますが、現代の生活では難しいものがあるそうです。
そんな中、サンの人々の1番の願いは「お腹いっぱいご飯を食べること」
蓄えるのではなく、明日がどうであれ”今ここ”を生きるサンの人々から学ぶべきことが沢山あるように感じます。
私がよく参加する*ツアーで、いつもガイドをしてくれるロバートさん(写真右)はこのサンの文化を多くの人々に知ってもらいたいという気持ちを強くお持ちで、後世に継承するためにガイドとして尽力しています。
*「Ghanzi Trail Brazers」が実施しているツアー。このツアーでは約1時間、サンの自然と共にある暮らしの知恵と伝統的なダンスなどを見ることができます。
また、Ghanziから北に車で約30分のところにあるDekarという村には、サンの歴史を学ぶことができるミュージアムと、サンの生活向上や芸術・文化保全の支援プロジェクト「Kuru art project」を行なっている施設があります。そこではサンの中のナロとグイの20名のアーティストの油絵を見ることができます。

ボツワナ北部のTsodiloという村には、2001年に世界文化遺産に登録された「Tsodilo Hills」があり、サンの人々が描いた4,500以上もの岩絵が残っています。絵には動物や人々が儀式をしている場面などが描かれていて、当時の生活様式を垣間見ることができます。
ボツワナに訪れた際にはぜひ、サンの文化に触れ想いを馳せてみてください^ ^
こうした先住民の文化や価値観というものも、時代の流れによって自然に途絶えてしまうことがあり、それは仕方のないことであると思います。ただ、私はこうした先人の自然と共に生きる暮らしや人々が大切にしてきたもの・価値観の中に、現代を生きる我々にとって、とても大切なメッセージがあるのではないかと感じています。幸せとは何か?生きるとは何か?平和を実現するには?正解も不正解もないですが、考えさせられることが沢山あって面白いなと思います。
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