JICA海外協力隊の世界日記

カンボジア便り

たくさんの微笑みに包まれて・・・

私は、シェムリアップ州の公立小学校で、図工科指導をしています。

カンボジアは「ニョニュム」(微笑み)の国です。

目が合えば、みんなにっこりと微笑みます。例え、道端ですれ違うだけの人でもみんなが自然に笑顔になります。

私は、カンボジアの人たちの笑顔にずっと支えられてきました。

その中でも特に大きな心の支えとなった三つの笑顔をご紹介します。

一つ目は、配属先の子供達や先生たちです。

子供達は、言葉がまだほとんどわからない私に、いつも笑顔で話しかけてくれました。ゆっくり話してくれたり、発音を直してくれたり、クメール語の先生でもありました。

授業が始まれば、満面のニョニュムで図工室まで走ってくる姿に何度勇気をもらったことでしょう。

先生方にはクメール料理を教わったり、プライベートで一緒に遊びに出かけたり、クメール舞踊を教わったり。この国で生きていくための知恵と工夫を授けてくれました。

二つ目の「ニョニュム」は、大家さんファミリーです。

写真の男性が大家さんですが、いつも優しく私たちに話しかけてくれます。

奥様は日本語がペラペラで、クメール語を教えてくれたり、困ったときにはすぐに助けてくれます。

大家さんのお母様がこれまた素敵な人で、料理が好きな私にいつもクメール料理を教えてくれます。

休日の午後、急に「ピン(私のこと)、ソムロー(クメールのスープ)作るから降りておいで」と連絡が来ます。野菜の買い出しや美味しい魚を売る店に連れていってくれたり、豚の丸焼きを食べに行こうと誘ってくれます。カンボジアの家族といる時、多分、私は一番いい笑顔をしていると思います。

そして、最後の「ニョニュム」は、隊員仲間です。

写真は、隊員仲間でアンコールワットマラソンに出場したゴール後の一コマです。

コロナ禍を挟んで訓練と派遣になった私には、(訓練所同期)と(派遣同期)がいます。

それに加えて、カンボジアで活動する先輩隊員や後輩隊員、VCさんや事務所の方々。

活動で行き詰まった時やちょっと辛くなった時、電話やメールで励ましてもらいました。

同期や先輩の任地を訪れ、活動を見学させてもらったり、自分の学校に来てもらって一緒に授業に参加してもらったこともありました。

隊員仲間には、老若男女、生き方や考え方が違うたくさんの人がいて、協力隊に来なかったら絶対に出会えなかった素晴らしい人たちばかりです。

自分の生き方や考え方にたくさんの影響を与えて頂きました。

カンボジアに来なければ、協力隊員にならなければ、きっと出会えなかったたくさんの「ニョニュム」

みんなから受け取った「ニョニュム」で心のエネルギーをパンパンに膨らませて、また今日も、自転車を漕いで、学校に向かいます。

泉 裕子 2023-7次隊 小学校教育

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