JICA海外協力隊の世界日記

カンボジア便り

カンボジアの草サッカー

自分は、カンポット州で子どもたちにサッカーを教えている。

今回は普段の活動についてではなく、平日の夜や土日で参加させていただいている、草サッカーを紹介したい。
自分にとって、ここカンポットでの草サッカーは「カンボジアのあれこれを知れた場所」である。

現在5つの草サッカーチームに入れていただき、週4日ほど、カンポット州に住む若者、社会人、おっちゃんたちとサッカーをしている。
普段の活動で教えている子どもたちが、味方や相手にいることもある。

彼らの年齢は10代から50代と幅広い。
普段は、州の省庁から病院、警察、軍、学校、トクトクのドライバーなど、様々な場所で働いており、中にはカンボジアのプロサッカーチームや代表でプレーしていた方もいる。

そんな彼らが仕事終わりの夕方、サッカーコートに集う。

相手チームと時間を決め、コート代を折半し、2時間ほど試合をする。
日本とは異なり、いわゆるカンボジアのローカルルールでおこなわれ、初めはこれに戸惑うこともたくさんあった。
みんな、スコアをしっかりと数えており、勝ち負けにはこだわっているが、一番の目的は「サッカーを楽しむ」こと。

素人もいれば、玄人もいる。10代と50代が同じコートに立っている。レベルは関係なく、年齢も関係なく、来るもの拒まず、みんなで1つのボールを追いかけるのが、カンボジアの草サッカーの特徴である。


サッカーが終わったあとは、よくチームでのごはんや飲み会に誘われる。
そのままサッカーコートで、ビールを飲むこともあった…笑

レストランやチームの方の家のガレージで、クメール料理やローカルの家庭料理をいただく。日本では食べることのない食材が出てくる。
ほとんどは冗談を言い合って、みんなで笑っている。
だがそんな会話の中でも、本やテレビでは出てこない、カンボジアの文化が垣間見える。
時には踊りを教わったり、あまり表立っては言えないであろう言葉まで知ることができた…笑

日本のことについても、よく訊かれた。

思い出もたくさんある。

ぎゅうぎゅう詰めのバンで田舎町へ行き試合をしたり、
代表の試合がおこなわれるオリンピックスタジアムで試合をしたり、テレビ局が来て大勢の観客の前で試合をしたり。

彼らが、外国人である自分を受け入れてくれたからこそ、カンボジアでしかできないたくさんの貴重な経験ができた。
そして、そのような経験をさせてくれたサッカーの大きなチカラをカンボジアで改めて知ることができた。


もう少しでお別れとなり、寂しい気持ちもあるが
カンポット州のみなさんへのこれまでの感謝と、大好きなサッカーの思い出として、ここに残したい。


2022-2 林亮太朗

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ