JICA海外協力隊の世界日記

カメルーン便り

任地俳句①【バンガンテ】カメルーンの西にある村

Bonjour!! こんにちは。皆様初めまして、高倉朋史と申します。

私はカメルーンのバンガンテという西部州の標高の高い自然豊かな村にコミュニティ開発隊員として派遣されております。

私にとってはこれが初めての世界日記寄稿になりまして、過去の先輩方と同じく、この日記をご覧になる方がカメルーンを少しでも身近に感じていただけるよう文章をしたためて参りますので、どうぞお付き合いいただけますと幸いです。

写真は洗濯を水源でしている様子です。

日本に住んでいるのと変わらず貴重な水を心置きなく使える水源は、村民にとっても私にとっても大切です。

この場所を起点に仲良くしてくれる家族に出会い、週末は一緒にご飯を食べたりしています。

いつか人にフォーカスした投稿も行いたいと思います。

今回は任地の場所にフォーカスし、題名にもあります「任地俳句」に関して説明させて頂きます。

カメルーンは任地によって見える景色が全く異なります。

そのため同期隊員の任地に訪問した時や、任地の話を聞くたびに自分の任地の景色との違いを認識できます。

そこで、カメルーンにある多様な任地を知ってもらうために、他のカメルーン隊員とも協力し、「どんなところに協力隊が住んでいるのか?」俳句を通してご想像いただけると嬉しいです。ご覧になられる皆様がクスッと笑えるような俳句をしたためられるよう頑張ります。

さて、第一回の今回ですが、やはりこの企画の発起人である私が面白い俳句をこの初回に発表することこそが、今後のこの企画の存続にとっても重要かと思いますので、まずはこの私がしたためた俳句を発表させていただきたいと思います。

さあ皆様、アフリカはカメルーンにいる私ですが、これから読む俳句を私の任地を想像しながら読んでください。

赤い土 額の汗は 地に還る

ということで。想像しやすい句を初回にご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

おそらく最低限の映像くらいは脳裏に浮かんでいただいていることを願いますが、以下補足させてください。

私の任地は首都から5時間ほどバスで離れた西側の場所にあるバンガンテという場所です。

この土地の特徴として地面のほとんどが赤い土で覆われており、広がるでこぼこ道の両辺には針葉樹だけでなく広葉樹も広がっている点にあります。

私の配属先は農業・農村開発省の郡事務所であり、同期の野菜隊員と共に農家を巡回して収益向上や米の普及活動をしております。

そのため、日常生活でよく歩き、よく体を動かすのですが、日中の容赦ない日差しが体内の汗腺を刺激し、液体となった「汗」の行方はというと、その赤く覆われた土地の上に、恐らく土からしても初めてであろう「外国人の汗」を落とします。この汗には様々な意味があり、異なる文化、簡単には通じない言語環境の中で、生活と仕事をすることで初めて感じる種の「戸惑い」や「緊張」、さらには「恥じらい」までも、汗という形を模して外部へ曝されます。つまり「ある種の異質性を孕んだ」物質となって「その日常」へアウトプットされるのです。ありとあらゆる違いを含んだその雫は、コンクリートの上を踏み踏み育った私が見たことのなかった赤い土を踏み締めることで、大自然を身近に感じさせてくれます。そしてそんな自然を前に汗は無情にも吸い込まれ、そんなことなんて元から無かったかのように、自然を中心にこの街の日常は過ぎていくのです。

ふとこんなことを思うと、我々人間は自然の前には無力であり、本当の違いは人種間にあるのではなく、人間と自然との間にあるのかもしれません。いいえ、それは都会で生まれ育った私が持つ考えであり、自然に囲まれ育った現地の方々にとっては、人間とは大きな自然の一部に過ぎないと考えているのかもしれません。

そもそも、俳句という日本の文化でカメルーンという異国の地を対象化する事自体が、現地の方々からすると異文化であり、私の存在自体も地域の人にとっては異文化です。「赤く覆われた土地」という表現も土が赤いことが当たり前として捉えてきた彼らにとっては聞くことのない表現であると考えます。

次回はそんな異文化で生活させて頂く中で感じたことを俳句にしたためたいと思っております。

ぜひ次回もお楽しみに。

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