2025/01/09 Thu
文化 生活
バミレケ族の伝統柄についてさらに深堀り!
Bonjour! 西部州バンガンテより沖本がお送りします。
今回は素敵な本を入手したので、その本を参考にしながらお話ししようと思います。
「à la rencontre du Ndop」 訳:Ndopとの出会い
この本には前回の記事で紹介した、バミレケ族の伝統柄についての解説が掲載されています。
Ndopというのは西部州の地名で、お米の栽培が盛んな地域です。著者はバミレケ族の伝統柄の布のことをNdopと表記していました。
バミレケ族の伝統柄は小さなモチーフの集合で構成されており、それぞれに意味があります。
この感覚は日本の縁起物のような感覚に近い気がします。
いくつか抜粋して紹介します。すべて1枚目の写真の中に隠れているので見つけてみてください!
出典:『Ndop : Textiles africains』、Ly Dumas、2024
ワニ
王権と豊穣を象徴する。右の柄は、左のワニのイラストを抽象化したもの。
出典:『Ndop : Textiles africains』、Ly Dumas、2024
四角形
人間の生と死を象徴する。三角形が集まっているものは生命を表し、三角形が4つのものは空白があることから死を表す。
出典:『Ndop : Textiles africains』、Ly Dumas、2024
鐘
綿を使用するコミュニティにおいて、神秘的・宗教的なシンボル。
出典:『Ndop : Textiles africains』、Ly Dumas、2024
トカゲ
高貴な穏やかさ、静けさ、怠惰を表す。独立と自由の象徴でもある。
王
地域を治める長。西部州では現在もこの文化が色濃く残っている。豊穣とその地域の精神的・経済的な繁栄の象徴。
超自然的な力を持っている。
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番外編
バミレケ族の伝統柄の布の作り方
・カメルーンの北部にて綿花を栽培し、ナイジェリア国境のベヌエ川沿いで織られ、バミレケ族の地(カメルーン西部)へ運ばれる。
・椰子の繊維でできた糸で刺繍を施し、再度北部へ運ぶ。
・インディゴ染めを行い、バミレケの地へ運ばれる。
・刺繍の糸を外すと模様が浮き出る。完成!
このように、布が出来るまでにはカメルーンの北部と西部を何度も往復しながら、様々な職人の技術が用いられているそうです。
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今回はここまで!Bonne journée!(良い一日を!)
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