2025/05/02 Fri
活動
メデジン市のインフラを守る


こんにちは。コロンビア第2の都市メデジン市にて橋梁の維持管理活動をしている小林秀幸です。
メデジン市は面積が381km2、人口は約270万人で日本の名古屋市を上回る規模の都市です。メデジン市はコロンビアで初めて都市高架鉄道(メトロ)を導入した都市であり、2012年には公共交通機関の整備が評価され「世界で最も革新的な都市」にノミネートされたことがあるほど域内のインフラ整備には力をいれています。
私の活動先であるメデジン市役所インフラ整備局は市内の道路、橋梁、公園などの公共建築物の建設・維持管理を行う部署で、私が所属する橋梁維持管理チームには私を含めて総勢8名が在籍しています。
チームの活動内容は橋梁やボックスカルバートなどインフラ施設の保守点検のほか、時には道路や鉄道近くの地盤変形などの緊急調査を行うこともあります。メデジンは街全体がアンデス山脈の中にあり地形が急なところが多いため、年間降水量は1600mmと東京と同程度なのですが雨水による地盤浸食が日本では経験しないほどの速さで進んでいくんですね。
下の写真は橋脚基礎が河川の増水で浸食されてしまい補修工事を行っているところです。
下の写真は地中に埋設されたボックスカルバートの継手がずれてそこから土粒子が流出し、地表道路に沈下が進行している状況です。
また、この地特有の事情で橋の劣化が進んでいるケースもあります。左下の写真は橋の下に住み着いたホームレスが焚火をして橋の塗装が損傷してしまいました。
右下の写真は橋の周りに不法投棄されたゴミが堆積し鋼製の部材が腐食してしまっています。
これは築150年の歴史ある煉瓦造の橋が落書きで汚されてしまっています。
隣国と国境が陸続きのこの国には他国からの移民が流入し続けており、そのような人々がホームレスとなって橋の下に住み着いたり、公共の土地に不法に住居を建築したりするなどの社会問題になっているのも実情です。
話は変わりますがメデジン市役所には日本の企業や団体で導入しているのと同じような業務褒賞制度があり、顕著な業務改善を達成した部門は申請書を応募し、審査の結果優秀と認められると市長から表彰を受けることになります。
昨年の2024年、私の所属する橋梁維持管理チームがこの制度に応募した結果、市役所全体で第3位に入賞し、同年10月にフェデリコ・グティエレス メデジン市長から表彰していただきました。表彰式にはインフラ整備局の局長をはじめ、私を含めたチーム員11名が表彰台に昇りました。
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