2025/09/15 Mon
文化 自然
#02 漁村の伝統漁「Chinchorro」とソーラン節【水産開発/久保田】


Hola〜 こんにちは
カリブ海沿岸のサンタマルタで水産開発の活動をしている、久保田畔菜です。
今回はサンタマルタの漁師たちについてと、最後に少しJICAコロンビア40周年の式典で踊ったソーラン節についてお話します!
私の任地のサンタマルタ、実はコロンビアで1番古い町で今年で建設から500周年なんです(1525年にスペイン人征服者が建設)。
サンタマルタにはタイロナ国立公園もあり、そこには先住民の方々が今でも住んでいます。この先住民の方々は「地球を守る民」とされていて、現地の人からは尊敬を込めて「Hermano mayor(お兄ちゃん)」と呼ばれています。この先住民もとても興味深いのでまた機会があれば詳しく説明します!
さて、そんなサンタマルタですが、地形に特徴があり、海がいわゆる急深(遠浅の逆)なんです。これは背後にコロンビアの最高峰をもつシエラネバダ山脈が迫っており、山がそのまま海に落ちているような地形になっているからです。
この急深を利用して昔から行われている漁が、伝統的な地引網である、「Chinchorro(チンチョロ)」です!
この漁では、手作りの網を使います。おもりは石に穴をあけたもの、浮きには木などを使っています。また、網の部分も昔はマジャグアという木の繊維から網を編んでいたそうです(現在、網だけはナイロンを使用) 。商業用に作られた現代の魚網よりもはるかにサステナブルですよね。
チンチョロでは、まず網をこの写真のように「つ」の字のような形で張ります。この時、写真の赤丸の部分から魚が入ってくるのを待ちます。そして、矢印のところに一人漁師がゴーグルをかけて魚が入ってくるのを待ちます。
そして魚が入ってきたら、海の中で魚を待っていた一人が浜で待っている引き手の漁師たちに「Hala! (引け) 」(魚種によって叫ぶ言葉を変える)と叫びます。この号令とともに漁師たちは全力で網を引いて魚を捕らえます。
伝統漁のチンチョロではSaldina(イワシ系)やCojinoa(アジ系)やBonito,Cachorreta(カツオ系)などの群れを成して泳ぐ魚を狙っています。しかし、日によっては魚が来てくれず、1回も引かないで終わることも稀ではありません。
この伝統漁のメインはもしかしたら魚をとることではなく、みんなで浜辺で魚を待ってる時間かもしれません。漁師たちはこの時間にドミノをして遊んだり、おしゃべりしたり、とれた魚を調理してお昼に食べたり、お昼寝をしたりと自由に時間を使います。下の写真は漁師たちが魚を待っているところです。
私もいつもこのダラダラとした時間を一緒に過ごさせてもらってます。海を眺めてぼーーっとしたり、ハンモックでお昼寝したりと日本だとなかなか過ごせないゆっくりとした時間を過ごしています。
ここでびっくりしたのは、日本ではドミノ倒しにしか使わないドミノは実はちゃんとしたゲームだったということです。私も漁師に教えてもらい、ドミノをよくするようになりました。漁師たちのルールでは、負けた点の数だけ耳に貝殻などで作ったイヤリングをつけさせられます。負け続けると耳がちぎれるんじゃないかというほど付けることになります。。。2年経ちますが、まだ自分の耳があることに感動しています (1枚目の写真は負け過ぎている私です)。
なかなか奥が深いゲームなので日本に帰ったら流行らせようと思います。
そして最近、2年間漁師たちと網を引いてた成果を首都ボゴタのJICA Colombiaボランティア事業40周年記念の式典にて発揮することができました。そうです、他のコロンビア隊員とともにソーラン節を踊ってきたんです!任地もバラバラなので集まって練習をする機会がないなか、参加してくれたみなさんのおかげで無事に踊り終えることができました。コロンビア人にも好評だったと聞いたのでよかったです。
今回はサンタマルタの漁村「Taganga (タガンガ)」で行われている伝統漁のChinchorroについてでした!今でも家族、小さなコミュニティ単位で伝統を守り続けてる漁師たち。ぜひ、サンタマルタを訪れる際は伝統漁が行われているタガンガに立ち寄って、漁師たちにドミノでボコボコにされてみて下さい。
Chao〜
SHARE