JICA海外協力隊の世界日記

ドミニカ共和国便り

コミュニティ開発/プライド・パレード

先日、首都サント・ドミンゴで開催されたプライド・パレードに行ってきました。

6月は「プライド月間」と呼ばれ、世界各地でLGBTQ+の権利を啓発する活動・イベントが開催されます。(ドミニカ共和国では7月でしたが)

2007年に始まったこのパレードは、今年で18回目を迎えます。

当初は暴力の懸念から自動車(キャラバン)による行進のみだったそうですが、現在は国から認可を得て平和的に行われます。

たくさんのレインボーフラッグと、参加者のカラフルな衣装が、青空と旧市街の街並みによく映えて綺麗!

日本だと、デモ行進のようなイメージが強く、参加者とそうでない人の温度差?みたいなのがありますが

ここドミニカ共和国では、各々が自由に自己表現し、通りすがりの人たちも爆音で流れる音楽に合わせて踊り出すという

巻き込み方が自然で、政治的メッセージ云々より楽しむことに全力なところが、この国らしくて素敵だなと思います。

正直ここに来る前までは、キリスト教の国だからという多少の固定観念がありましたが
想像よりずっとオープンな印象に変わりました。

最初に驚いたのは、自分がセクシュアル・マイノリティであることを公言している人が身近に多いこと。

たとえば私が通うジムには男性がいないのですが、

なぜかというと、下半身を鍛える器具しか置いてないからです。

この国では、とくに女性はお尻と脚を重点的にトレーニングします。

お尻が大きくて、肉付きのいい脚が理想とされる、そういう美的感覚のようです。

私もここで、たくさんのゲイの友達ができました。

彼らも目指すはプリプリのお尻。
鏡の前でポージングしてながら、入念に筋肉のつき具合をチェックします。
話しているととても可愛らしい彼らですが、持ち上げる重量は全然可愛くない。

周りも特別扱いをせず、自然に受け入れています。

それだけ、ごく普通なことなんだと思います。

とはいえ、この国ではまだ同性婚や性別変更は法律上認められていません。
偏見や差別もあることは事実です。

勿論、 宗教的な影響も大きいですが、

トルヒーヨ独裁政権時(1930~1961)には、同性愛者だと「告発」された者が政治や社会から排除されるという、政治的武器に利用された背景もあり、
セクシュアル・マイノリティへの暴力や差別を助長したという話もあります。

それでも時代の流れとともに、若者を中心にだいぶ寛容になってきているように思います。

一方で、ふと気になるのはゲイは身近に沢山いるのに、レズビアンやトランスの方には出会う機会は殆どありません。

日本でも同じですが、人気オネエタレントやコメディアンの影響で、

ゲイは割とポジティブに受け入れられる対象になってきているのに、

それ以外のセクシュアル・マイノリティはまだまだ認知度や寛容度が低く、

カミングアウトしにくい環境にあるような気がしています。

受け入れられない、というのも一つの価値観とも言えますが

それぞれの価値観を強要せず、尊重できる社会になればいいなぁと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ