JICA海外協力隊の世界日記

エクアドル便り

No.34 ことばと暮らしをつなぐ ―エクアドルで活動する言語聴覚士―

表紙:言語担当の同僚3人とともに

Hola! みなさん、こんにちは。エクアドル南部のロハ県で言語聴覚士として活動している寺田有花利です。
みなさんは「言語聴覚士」という専門職をご存じでしょうか。多くの方があまり耳にすることのない職種かもしれません。
言語聴覚士とは、ことば・聞こえ・飲み込み(嚥下)の専門家です。
私たちが「話す」「聞く」といったコミュニケーションを行うためには、発声・発音、理解、記憶や注意といった認知機能など、さまざまな力が関わっています。しかし、病気や交通事故、発達の特性などによって、これらの機能がうまく働かなくなることがあります。
言語聴覚士は、そのようなコミュニケーションの困りごとを抱える方に専門的な支援を行い、ご本人とご家族が自分らしい生活を送れるようサポートする専門職です。また、食べ物や飲み物を飲み込む力(摂食・嚥下)の問題にも対応します。
日本全国で言語聴覚士は新生児から高齢者まで幅広い年代を対象に、医療・介護・福祉・保健・教育など多様な分野で活躍しています。

■ 私の活動について

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写真左:配属先の施設   写真右:アニマルセラピーで活躍している馬


現在、私は障害者施設で言語聴覚士として活動しており、同僚と協力しながら、障害のある子どもたちにことばのリハビリテーションを提供しています。
当施設には1歳から50歳までの方が通われており、知的障害、自閉スペクトラム症、脳性麻痺など、さまざまな障害のある方が利用しています。施設で提供しているセラピーは言語療法だけでなく、運動療法・心理療法・アニマルセラピーなど多岐にわたります。

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写真左:定期勉強会にて  写真右:臨床場面


私の主な役割は、言語担当3名の同僚への技術移転です。多くの時間を個別指導にあて、子ども一人一人に合わせた関わり方を共に考えながら、日々技術の向上に努めています。
毎週金曜日の午前中には勉強会を行い、発達や言語療法に関する基礎知識の共有や、検査・教材の作成などに取り組んでいます。
同僚たちは非常に熱心で、子どもたちにより良い支援を届けるため、日々研鑽を続けています。私自身も多くの刺激を受けながら学ばせてもらっています。

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写真:休憩中、同僚にサルサを教えてもらっている場面


そして、私は苦手なダンスも学び中です……(笑)。
気がつけば、エクアドルに来てから約1年が経ちました。語学も技術もまだまだ発展途上ですが、2年目に向けてチームと力を合わせ、言語聴覚療法の質の向上にさらに貢献していきたいと思います。
それでは、Hasta luego!(またお会いしましょう!)

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