JICA海外協力隊の世界日記

エクアドル便り

No.5 アマゾンでの魚類養殖

こんにちは。エクアドルの東部にあるプーヨ市に派遣中の前川公彦です。私は日本で貝類の養殖をやっていた関係で、こちらではアマゾン流域で淡水魚の養殖管理に関わる活動を行っています。職場はプーヨから40キロほど北に離れたサンタクララという町にあり、毎日バスで通っています。そんなプーヨでの生活とサンタクララでの活動について紹介します。

プーヨというのはパスタサ県の県庁所在地ですが、人口は3万人余りの小さな市です。アマゾン地方には余り大きな町はないので、プーヨの名前はエクアドル人なら誰でも知っています。ここは赤道直下ですが、標高が900m余りあるので、暑くも寒くもなく、1年を通じて20℃前後の温暖な気候です。それに対してサンタクララは標高450m余りでかなり蒸し暑く感じます。


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プーヨやサンタクララの特徴は雨の多さです。それも1日のうちに数回は雨と晴れを繰り返し、時に周りが見えないほどの豪雨となります。雨の時、日本人でしたら傘を差すのが普通ですが、こちらの人はまず傘を差すことはありません。大人も子供も、かなりの雨でも傘も差さずに普通に歩いています。ものすごい豪雨の時は頭に荷物をのせるか、走って通り抜けるか、という感じです。濡れても暖かいのですぐ乾いてしまうからでしょうか、雨に濡れて風邪をひくという発想はないようです。ただ、そんなプーヨでもたまに女性が日傘をさしているのを見かけることがあります。


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サンタクララの職場には10余りの養殖池があり、学生のための研修所として使われています。この養殖池には現地でパイチェと呼ばれるピラルクやピラニアに見た目がそっくりなカチャマ、日本でもおなじみのティラピアなどが飼われています。私は朝、職場に行くとまず温度計を持って各池の温度を測り、同時に池の水や魚の状況を見て回ります。
水温測定が終わると調査用に借りている2つの池のカチャマとティラピアにエサをあげます。面白いことに、この2種類の魚は性格が非常に違います。ティラピアは人にすぐ慣れて、エサをあげに行くと近寄ってきて鼻先に触れることができるくらいです。一方、カチャマは非常に神経質で、普段は集団で泳ぎまわっていますが、人が池に近づくとさっと別の方に逃げていきます。また、パイチェはエサを食べる時には大暴れして食べます。パイチェとしては普通かもしれませんが、体長が1.61.8mもあるので、すごいパワーと音に圧倒されます。


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これ以外に、定期的に水質調査や河川に生息する原生種の調査、学生のための養殖の教科書作成なども行っています。これまで基礎的な調査作業は余り行われてこなかったので、今後それを活かしてより良い養殖方法を確立してくれるような人材に期待しているところです。

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