JICA海外協力隊の世界日記

エクアドル便り

No. 27 木の上で逆さに暮らす南米の住人と一緒に

表紙:環境教育を共に行う同僚との集合写真

こんにちは!瀬谷友啓です。
私は現在、南米エクアドル北西部にある「サントドミンゴ・デ・ロス・サチラス」という地域で、環境教育の隊員として活動しています。
サントドミンゴは、カカオやバナナの産地として有名です。
この地域の美味しいバナナやカカオは、日本でも味わうことができます。
初めてカカオの実を見たときは、「これが本当にチョコレートの原料なの?」と驚きました。
カカオの実は幹から直接ぶら下がるように育ちます。
何度見ても、不思議な、自然の面白さを感じさせてくれます。

写真:カカオの様子

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私が主に活動している場所の一つが、「カサマの森」です。
サントドミンゴ県庁の職員の方々と協力しながら、自然や環境について学べる活動を地域の子どもたちと一緒に行っています。
突然ですが、ここでクイズです! 
下の写真の中には、カサマの森に住むある動物が隠れています。
正解は最後に発表しますので、ぜひ探してみてください。

写真:クイズ

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この森は町の中心部からほど近い場所にあり、町の中にぽつんと残された貴重な自然です。
面積は7.38ヘクタール。2020年にサントドミンゴ県により自然保護区に指定され、今も多くの生きものたちがこの森で暮らしています。
アルマジロや、150種以上の鳥類(ハチドリなど)が確認されています。
多くの動物たちは夜行性なので、日中に姿を見ることは少ないですが、森の中では静かで豊かな時間を過ごすことができます。

早速カサマの森へ行きましょう。
ここでは森を散策しながら、植物の名前や特徴について学ぶことができます。
中でも印象的なのが、「mata palo (マタパロ)」と呼ばれる植物です。
鳥によって運ばれた種が木の上に落ち、そこから地面に向かって成長していくという、少し変わった育ち方をします。
あるマタパロは、年月をかけて元の木を包み込み、ついには内部が空洞になって、中に入ることができるようになっていました。 その樹齢はなんと500年以上とも言われています。
森の中では、白と赤の2種類のマタパロを観察することができます。
写真右は、内部が空洞となったマタパロの中から見上げた様子です。

写真左:白いマタパロ                        写真右:赤いマタパロ

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かつてこの地域では、ヘラクレスオオカブトなどの大型の昆虫も見られたそうですが、森林伐採や環境の変化により、今ではその姿を見ることはほとんどなくなったと聞きました。
一方で、今の子どもたちは「カピバラが好き!」とよく話します。
森を訪れた子どもたちから、「カピバラいるの?」と聞かれることも多く、
そのたびに、森にどんな動物がいるのかを一緒に学ぶよいきっかけになります。
実は、サントドミンゴに住んでいても、この森の存在や、そこに暮らす動植物について知らない子どもたちも少なくありません。

今後もカサマの森で子どもたちと一緒に、
自然と向き合い、学び、考える活動を続けていきたいと思っています。
森の魅力や自然の大切さを、少しでも多くの人に伝えていけたら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

クイズの答えは「ナマケモノ」でした!

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