2025/03/21 Fri
文化 生活
No.14 昭和30年代の東京を思い出す「イバラ」でのくらし


¡Hola. Mi Amigo!Cómo estás! 「定年」海外協力隊員 斎藤 明 66歳です。インバブラ県庁で観光隊員(ユネスコ世界ジオパーク担当)をしています。住んでいるのはイバラという街。ここでの生活は、私が小学生だった昭和30年代の東京を思い出させてくれ、心が柔らかくなります。
イバラの街とくらし
インバブラ県イバラ市は、首都キトからバスで2時間半ほどの県庁所在地。標高2200m。メスティーソをはじめ、インディヘナ、アフロ系の人たちも多く住んでいます。
個人商店が元気で、服をはじめ靴・カバン、電気製品などを修理する店舗を多く目にします。路上に座り・または歩きながらの物売りの声。昔、聞いたことがある様な気がしています。
洋服屋さんのマネキンは昭和っぽく、豊満なボディでポーズを取っていて、つい目を引かれます。
フェリア(青空市場)では、店員と客との会話が弾んでいるのが印象的。私とも必ずハグ!して会話。会計の計算は暗算で行います。が、ラッキーなことに?時々間違っていることがあります(笑)
仕事と時間
仕事の進め方は、日本の自治体と変わりません。しかし、職場の雰囲気は全く違います。朝の挨拶は「Hola!Akira!Cómo estás!」 の声とハグから始まります。
仕事のスケジュールは、WhatsAppを公的な連絡ツールとして活用しているのには、やや驚きました。
時間に関しては、手配した車が30分遅れてくることも珍しくないし、会議の開始時間もあくまで予定。最初は、時間に正確な日本の習慣が抜けず戸惑いました。が、この緩さがストレス緩和にも
なり、人の大らかさにも影響しているのだと気づき、いまでは気にもなりません。
食と人々の温かさ
食は豊かで、安くておいしい。お昼ごはんは3ドル(米ドル)前後でボリューム満点。果物も種類が豊富なうえ、大きく、新鮮。1ドルで写真のグアナバナ1個、マンゴー大3個、リンゴ6個、買えます。
職場では午前10時半ころ、モロチョで作ったエンパナーダなどを食べることも多く、私もこの食習慣にどっぷり。なので、派遣前より体重4キロ増。あわてて体重計を買いました、
職場でも街中でも、いつも音楽が聞こえ、音楽が鳴ると誰かが踊りはじめます。その陽気さに驚かされ、また、うれしくも楽しくもなります。
知り合いはみんな「アミーゴ」。知らなくても「アミーゴ」。店員さんに「オラ!アミーゴ!」と声をかけ、言葉を交わしています。いまの東京ではほとんどなくなってしまった、人付き合いの温かさや豊かさ、濃密さを、イバラではとても強く感じています。
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