2026/02/04 Wed
文化 自然
No.36 波の音に囲まれたエクアドルの生活

表紙写真:沖から見たサリナスの街並みを背景にジャンプするザトウクジラ
こんにちは!エクアドルにて活動しています、2024年2次隊の新井一麦です。
私はエクアドルの海洋保護区のレンジャーとして、環境教育の充実化を目指して日々活動しています。エクアドルでは珍しいコスタ地域(沿岸部)で活動しているため、海辺での暮らしについて少し紹介をします。
コスタ地域には2つの季節があり、海流が大きく影響します。南極から来るフンボルト海流が強くなる6月〜11月頃は気温が下がり、雨が降らず乾燥した気候になります。この時期にはザトウクジラが繁殖や子育てのためにやってきます。保護区の展望台から母クジラがジャンプをしたりヒレで水面を叩いたりするのを見せ、子クジラがぎこちなくそれを真似する姿が観察できます。
一方で12月〜5月頃は日差しが強く雨の多い季節です。日中はカンカン照りで、雨の湿気で蒸し暑く感じる日もあります。しかし、乾燥していた保護区の植物が緑をまとうようになり、雨でできあがった湖に渡り鳥がやってくるのを見るのも楽しみの一つです。
コスタの料理は、プラタノ・ベルデ(ご飯用バナナ)やキャッサバ芋、ピーナッツを使ったものが有名です。特に私の好きな料理はbolloで、プラタノ・ベルデと魚をバナナの葉で包んで蒸し、最後にピーナッツソースをかけてご飯と一緒に食べます。ビーチでは売り子さんが1ドルで売り歩いています。他にもコスタらしいものとしては、ココナッツウォーターを日ごろから飲んでいることです。暑い日にはその場でココナッツを飲み干し、お店に戻して切ってもらい中の果肉を持ち帰るのが定番の流れです。
写真2:大好物のbollo。一週間に一回は食べたい

写真3:ココナッツ購入中。飲み終わって切ってもらっているところ

任地のサリナスは観光地で、週末にはグアヤキルから家族連れがのんびりビーチに来ます。祝日にはエクアドル各地から観光客が集まり、ビーチはカラフルなパラソルで覆われ、ラテン音楽が各地で鳴り響き、海沿いの道は水着姿の人々でにぎわいます。年末年始は最盛期でたくさんの車と人で身動きが取れなくなるほどです。
私の1年目の年越しは首都キトでしたが、今年は任地でお世話になっている家族と過ごしました。年末にmonigoteと呼ばれる人形を燃やして一年の悪を祓う行事があり、キトでは家庭や職場で囲んで燃やしましたが、コスタは想像以上でした。ビーチに集まった人たちがmonigoteを山のように積み、年越しと同時に油をかけて燃やしていて。その様子はまさに火事現場でした。
写真4:週末のビーチの様子。パラソルは一日約5ドルで借りられる

写真5:ビーチでの年越しの様子。写っている炎はmonigoteの山を燃やしているところ

ビーチでのイベントは多い一方、イベント後のゴミがとても目立ちます。先日の年越しのイベントも見渡す限りゴミが散らかっていて、とても悲しい気持ちになりました。地元の人が「海がゴミを流してくれるまでしばらくは泳げない」と言っているのを聞き、ゴミが当たり前になっている状況を痛感しました。保護区にはゴミを食べたり引っ掛かったりして動けなくなったウミガメやクジラ、海鳥がたくさん打ち上げられています。
ここサリナスが、海の近くにあるからこそ環境保全の意識を高く持ち、観光地としての人間の営みを続けながらも環境のために動ける街になっていったら素敵だなと思っています。課題は大きいですが、この魅力的な自然や生き物、そして大好きなこの町のために、少しでも貢献できる活動を続けていきたいです。
写真6:年越しのイベント後のゴミの様子。花火のゴミや食べ飲みした後のゴミが散乱している

写真7:尾びれに漁師ゴミが絡まり亡くなって打ち上げられた子クジラの様子

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