JICA海外協力隊の世界日記

ガーナ便り

ガーナの農村コミュニティで学ぶ国際協力

大学生によるJOCV体験プログラムの来訪

ガーナよりこんにちは。

私は2024年4月中旬からガーナに赴任しているJICA海外協力隊 加藤 芽吹です。この記事を書いている3月は日本では卒業シーズンですが、私自身も任期終了を目前に控えています。2022年10月に協力隊へ応募し合格をいただいてから、2026年4月の帰国までの約3年半。ガーナでの活動もいよいよ終わりに近づいてきました。

今回は、私の配属先で実施された大学生向け研修プログラムについて紹介します。2026年2月18日から約2週間、日本の大学生8名が「JOCV(Japan Overseas Cooperation Volunteers)*1体験プログラム」の一環として、私の配属先であるガーナのローカルNGO「Global Action for Women Empowerment(GLOWA)」を訪れました。GLOWAは、女性や女児の権利向上を目的に、農村地域でエンパワーメントやコミュニティ開発に取り組んでいる団体です。

コミュニティ訪問を通じた現地理解

学生たちは「国際協力に関心がある」「アフリカの社会を自分の目で見てみたい」といった思いでこのプログラムに参加していました。

本プログラムでGLOWAが学生を受け入れるのは今回で3回目です。

到着初日はガーナの伝統的ダンスで歓迎し、翌日にはGLOWAが活動する農村コミュニティ*2を訪問しました。村ではチーフクイーンマザー*3への挨拶から始まり、地域社会への仕組みや伝統的なエチケットについて学びました。また、この地域の主要作物であるキャッサバ*4の加工工程を見学し、ガリ*5製造の作業やキャッサバの皮むきも体験しました。こうした活動を通じて、農村地域の生活や、家事と農作業の両方を担う女性たちの労働負担について理解を深めました。

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テーマ別ワークショップの実施

学生たちは事前に設定したテーマをもとに研修を進め、最終日に成果を発表することになっています。

今回のテーマは「栄養改善」と「女性の自立」の2つでした。

栄養改善チームは、バランスの取れた食事の重要性について紙芝居形式で説明し、現地語で作成した栄養分類表を用いて住民に分かりやすく伝えました。また、簡単に作ることができる栄養メニューの例として、日本の料理「お好み焼き」の調理実演も行いました。調理の様子を興味深く見守る村人の姿が見られ、試食も好評でした。

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一方、「女性の自立」をテーマとしたチームは、家庭内の家事分担を可視化するワークショップを実施しました。日常の家事や育児の役割を整理したうえで、日本における「イクメン」の事例を紹介し、男女が協力して家庭生活を支えることの重要性について意見交換を行いました。

学生たちの学びと気づき

3月1日の最終日には、GLOWAスタッフの前で、5日にはJICAガーナ事務所の前で成果発表が行われました。学生たちは、ワークショップの実施結果や参加者アンケートをもとに考察をまとめ、短期間の研修を通じて得た学びを共有しました。

日本とガーナでは文化や社会背景が大きく異なるため、提案した取り組みがすぐに地域社会に定着するとは限りません。しかし、今回の交流が地域の人々にとって新たな気づきのきっかけとなり、将来の変化につながる可能性もあります。

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協力隊だからこそ生まれる交流

大きな変化をすぐに生み出すことは難しくても、人と人との交流の中で

小さな学びや気づきが生まれることがあります。

現地の人々の暮らしに寄り添いながら活動できる協力隊だからこそ、そのような機会を生み出すことができるのではないかと、2年の活動を振り返りながら感じています。

以下、本文内の注釈語句です。

*1...JICA海外協力隊の英語表記

*2&3...同じ地域に住む人たちがチーフ(伝統的リーダー)を中心にまとまって生活している社会単位のこと。行政区分というより、生活や文化、人間関係が密接につながった共同体を指す。

ガーナの「コミュニティ」とは、同じ地域に住む人々の生活共同体で、伝統的なリーダーであるチーフ(男性の首長)やクイーンマザー(女性リーダー)を中心に社会がまとまっている。

*4...ガーナで広く栽培されているイモ類の作物で、米のように日常的に食べられる主食の一つ。

*5...キャッサバというイモを発酵させて乾燥させた粒状の食品で、お湯やスープと一緒に食べる、西アフリカの代表的な主食。キャッサバを加工したものが「ガリ」。

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