2024/11/29 Fri
イベント
ヤムイモ祭り~ASOGLI・TE・ZA
こんにちは!ボルタ州を愛する、NGOで活動中の広報隊員です。任地ボルタ州多めの記事はお許しくださいね…。
ボルタ州は、同じガーナでもちょっと雰囲気が違うとも言われ(もちろん良い意味で♪)、それは人々の暮らしや文化に反映されています。
今回はボルタ州の伝統行事であるお祭りのひとつ、「ヤムフェスティバル」についてお伝えしたいと思います!
フェスティバルは、特にその国の文化を映し出すため、私にとってはさらにその国を知ることができるきっかけとなります。この日記を読んでくださっているみなさんにも、私と一緒にガーナにいるかのごとく、ガーナの魅力が伝わることを願います。では、早速一緒に参りましょう♪
さて、まずは、ボルタ州の歴史を調べてみましたので、簡単にご紹介させてください♪
私の任地であるボルタ州には、ガーナの東に隣接する国トーゴとの密接な繋がりがあり、ガーナ⇔トーゴ間の人の移動が予想以上に簡単になされていることを感じていました。その背景には、以下のような歴史があったからなのだと知りました。
ボルタ州は、過去にガーナの東に隣するトーゴ国の一部でした。かつてのイギリス領トーゴランド南部、ドイツ領トーゴランドの南西部であり、第一次世界大戦後にトーゴが英仏に分割され、西部はトランス・ボルタ・トーゴランドとして、イギリスによってイギリス領黄金海岸[ゴールドコースト海岸ともいう]の一部として統治されていました。それから、1955年に国際連合総会決議で住民投票の実施が議決され、翌年の住民投票の後、国連はゴールドコースト全体が独立したときに、ガーナの領土が独立し、別のイギリス領トーゴランドと統合されることを決定。1957年3月6日に、イギリスがその領土一帯の支配を放棄した後に、ガーナは独立し、住民投票による58%支持でボルタ州のガーナへの統合が承認されたそうです。
詳しくは、https://en.wikipedia.org/wiki/Volta_Regionをご覧になってください。
ゆえに、現地語エウェ語もトーゴで話されているようです。(ちなみに共通語はフランス語です)
またナイジェリアの一部地域にもエウェ族は存在し、エウェ語は流布しているようです。ガーナ国内では、ボルタ州のみです。よって、エウェ文化がその歴史の過程で、西アフリカの中でもどの場所に定住し今に至るのか、ということがお分かりいただけるかと思います。実際に先日、フェスティバル鑑賞後、さらにボルタ州文化への知的好奇心が高まり、ボルタ博物館を訪ねてみました!イギリス、ドイツ、フランスの植民地化の歴史、奴隷制の時代、当時の女性の存在意義など、ガイドツアーもしていただき、アフリカの歴史を味わっていました。もちろん、ガーナのコミュニティやチーフといった村の伝統、村人を呼ぶときに使う道具や、チーフやお付きの人が手にするスティックなど
写真に収めたくなる展示品の数々でした。
それでは、ヤムフェスティバルについて話を戻したいと思います。
Wikipedia(https://en.wikipedia.org/wiki/Asogli_Te_Za_(Yam_Festival)、原文は英語・翻訳は加藤)によれば、ヤムフェスティバルは次のような歴史をもつそうです。
(引用ここから)
アソグリヤム祭りとも言われるこの祭りは、ボルタ州都のホ市のアソグリの人々が毎年祝う祭りで、狩猟中に森で塊茎を見つけたハンターによって始められたヤムイモの栽培を祝うため、毎年9月に開催されます。
ヤムイモは、エウェ語で「テ」と呼ばれ、口承史によれば、ある猟師が普段の狩猟で森の中でこの作物を発見したとし、それは飢饉の時期だったが、彼は新しく発見した塊茎を家に持ち帰る代わりに、別の機会に使うために土の中に隠すことにしました。後日、彼が取りに戻ると、塊茎は発芽して大きくなっていた。こうしてヤマイモの栽培が始まったとのことです。
この祭りは、ガーナのエウェ族がトーゴから移住したときにガーナに持ち込まれ、現在でもトーゴで祝われています。
2004年、10年以上もの間中止されていたヤム・フェスティバルの祝典を復活させ、ガーナ人と観光客の両方にアソグリの伝統について教育し、楽しませるという目標を掲げ、伝統的な音楽、ダンス、物語を体験する機会を提供しています。
このことは、ボルタ地域全体の多くの首長(チーフ)を団結させ、これはトーゴまで広げる結果となり、2018年より、人々の歴史と文化を反映させるべく 「テザ(ヤム祭り)」と改称したとのことです。
(引用おわり)
色鮮やかなケンテを身に纏った、荘厳な雰囲気を醸し出しながら優雅に歩くチーフたちを 見ることができ、またユースによるボボボダンス、パレードなどを見ることもでき、
老若男女が参加する、そしてガーナの人々に根付く「収穫物・農作物への感謝」を大事にする神に崇拝する彼らの文化や共同体としての連帯感と一体感を改めて感じることができました。
村(コミュニティ)ごとに、その長であるチーフがいて、様々なダンスや歌を披露してくれました。音楽があれば、人が集まり笑顔で踊り歌い出す、ガーナの人々は陽気で明るく、いつも楽しそうにしています。
コミュニティごとに異なるカラーで楽しませてくれたボルタの人たち…。その姿はとてもユニークでした!
まさに歌と踊りでひとつとなる、アフリカンカルチャーを再認識した一日でした。と同時に、海外に身を置く外国人だからこそ、ということもありますが、異国文化を知りその面白さを味わうことで、その国への興味・関心が芽生えるだけでなく、自国である日本文化が誇るもの、日本(人)が外国(人)にアピールできるのもの、とは何だろう?といった我が国の独自性・ユニーク性について、再度「外国から見た日本」をも見直すきっかけになるのかもしれない…と感じました。
「異文化に触れるのは楽しい!」
そんなシンプルな想いでも、必ずや「自分の人生や思考・価値観をより深くさせてくれる」きっかけになるはずです。
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