JICA海外協力隊の世界日記

グアテマラ便り

No.4 配属先紹介(PCインストラクター/松尾紗英)

こんにちは!

本日は、私の配属先についてお伝えします。

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私の配属先は、グアテマラのソロラ県にある、女子中高一貫校です。

先住民系の女子中高生が対象の学校です。

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さて、なぜ先住民系の女子だけなのか。

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グアテマラの教育事情(問題点)を踏まえてお話しします。

グアテマラ人の約4割は先住民系の方ですが、先住民系の方と非先住民系の方との間には差別や格差が存在すると言われています。

その格差の要因の一つが、言語の違い。先住民系の方は、その部族特有の言語を持ち、日常生活ではその言葉を使います。その傾向は、若い人よりも年配の方、男性よりも女性の方が強く見られます。しかし、学校では、公用語であるスペイン語で授業が行われます。

このような状況により、学校に入っても、ついていくことが難しく、ドロップアウトしてしまうことが多くあったそうです。

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また、古くからある考え方も、格差を生む要因の一つになっています。その考え方というのが、「女の子は結婚したら家を出ていくから教育は必要ない」というもの。グアテマラには、こうした価値観を持つ家庭やコミュニティがまだまだあるのだそう。

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これらの理由から、グアテマラにおいて、先住民系の女子児童は、教育の機会から最も離れた存在です。

校庭の壁には、学校の合言葉が書かれています。

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さて、配属先の学校は、そうした女子児童を対象としており、

高い水準の教育と、家庭やコミュニティも巻き込んだアプローチを通じて、生徒たちの才能と機会を結び付け、貧困や差別の連鎖を断ち切ることを目標としています。

アメリカ人を中心としたドナーや国際NGOなどからの寄付や支援をもとに運営している学校で、グアテマラの公立の学校とは異なる点が多々あります。

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例えば、勉強時間です。

グアテマラでは、複数の学校で校舎を分け合っていたり、給食を提供するのが難しいという問題から、午前のみもしくは午後のみで授業を行うというのが一般的です。また、1コマも30~40分程度です。

一方で、配属先は、学校給食があり、校舎をほかの学校と共同で使ったりはしないので、朝8時から夕方16時まで、1日中勉強します。(日本人の感覚だと普通かもしれません。)1コマも75分と充分な時間です。

続いて、設備についてです。

各教室に大画面が設置してあり、授業中はそれに資料を投影して講義をします。

また、中学1年生にはタブレットを、ほかの学年にはパソコンを、一人1台貸与しており、生徒は日常的にそれらの機器を使用します。

公立の学校では、黒板すらなかったり、そもそもPCが故障していたりと、勉強するのに適した環境とは言い難い状況も多々あり、学習環境の面でも大きな差があります。

パソコン室の写真

他にも特徴的なこととして、家庭訪問制度があります。家族やコミュニティからの理解を得ること、生徒に関わる人たちの輪の強化を目的としたもので、家庭訪問担当の職員が、定期的に各家庭を訪問します。その訪問では、これまでの生活を振り返ったり、人生の目標を見つめなおしたりするための様々なアクティビティが行われます。

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その学校の中で、私は、以下のようなことを行っています。

・高校2年生に対して情報の授業の準備・実施、各学期の中間試験、期末試験の実施・採点・評価

・来年度入学予定者、中学1年生に対してタイピングの授業の実施

・学校内のパソコンやタブレットの管理、メンテナンス

・月に一度の校内誌の発行

・約8000冊ある図書館の本の管理・貸し出し作業の効率化

・校内規則を図表化し発行

・校内の各種データの整備

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それぞれの詳細な活動内容はまた記事にしたいと思います!

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先住民系の女子が抱える問題に複合的にアプローチし、根本的に問題を解決しようとしている配属先の姿や取り組みは、勉強になる点が多く、もともと抱いていた協力隊のイメージとは異なりましたが、この組織とかかわることができて本当によかったなと思います。

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ではまた!

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