2025/09/26 Fri
活動
ラグビー/日々の練習の様子

ナマステ。
前回はインドラグビーの概要と活動先をご紹介しましたが、今回はいよいよ「実際にどんな活動をしているのか」をお話ししたいと思います。
私の活動先では、月曜日から土曜日まで、週6回の練習があります。時間は朝6時から8時半、そして夕方16時から18時半の1日2部制。
しかし、ここはインドです。皆さんのご想像の通り練習は“インド時間”で進んでいきます。6時から練習が始まるわけもなくみんながゆっくり集まり、出席確認をしたり雑談をしたりしていると、7時前。そこからようやく練習スタートです。この時間感覚の違いは、まさに日本との大きなギャップです。
全国レベルの大きな試合ではないですが、州大会レベルだと試合の予定も同様にインド時間で進みます。8月中旬ごろ、「9月に州大会があるらしいよ」とだけ告げられ、急に試合モードで練習が始まりました。ところが一向に詳細は決まらず、9月頭になって「試合は2週間後!」と急にチャットで連絡が来ました。急いで試合の準備を進めたその3日後には「会場の準備が間に合わないから延期」との電話が。試合がなくなったので、のんびりしていたら、試合の4日前に「やっぱり試合やります。会場はここ。」と連絡がきました。この日記を書いている今、急いで選手のセレクションをしている真っ最中です。これぞまさしくインドタイムでした。
という感じでインド時間に振り回されていますが、練習時間になると小学生から大学生までおよそ400人もの選手がグラウンドに集まり、一斉に練習が始まります。写真の通り、実際目の当たりにすると中々の迫力です。今はラグビーグラウンドが工事中で、サッカー部とグラウンドを共用しているため、グラウンドは常に人だらけ。サッカー部も男女合わせて300人位いるので、外から見るとカオスな光景です。一応練習は男女、さらに年齢別でカテゴリーを分けて、チームごとに練習していますが、午後になるとちびっ子たちが遊びにやってきて、走り回ったり、ボールを追いかけたり…。正直、練習どころではない日が多いです。あちこちで人がぶつかり、サッカー少年たちがドサドサと流れ込んでくるので、コーチというより保護者に近い役割を担っている時もあります。

実際にどのように練習しているのかというと、今は試合が近い14歳~16歳の男の子チームを中心に指導しています。
ただ任地の選手たちはオリヤ語が母語、第二言語がヒンディー語になるため、特にこの年齢層の選手だと英語が苦手な選手が多いです。また私自身も英語が流暢ではないので、練習中のコミュニケーションはほぼ「ボディランゲージ+簡単な英語+オリヤ語のちょっとした単語」です。基本はまず「やってみせる → 選手にやってもらう → 理解できているか確認する」というシンプルな流れで行います。練習の説明は必ずデモンストレーションから始まります。ほかにも、強度を指示したいときは「100% karo」(karoはオリヤ語で「する」の命令形)と伝えると全力でやるし、逆に「50% karo」というとゆっくり理解度を確認できます。また英語を文章で話すのではなく、動きを見せながら「jaldi 」(jaldiはオリヤ語で「早く」)といった感じでフレーズだけで伝えています。お互い母語ではない言語でのやり取りなので、練習の導入部分が一番時間がかかります。
しかしここで助けてくれるのが選手です。誰か1人が理解してくれると、その選手がオリヤ語で他の選手に説明してくれます。もちろん、私には何を言っているのか全く分かりませんが、不思議と動きや雰囲気から「ちゃんと伝わってるな」と感じ取ることができます。この瞬間、「やっぱりスポーツは世界共通の言語だな」と実感しますね。ただ毎回うまくいくとは限らず、中々意図が伝わらなかったり話を聞いてくれなかったりと苦労も絶えません。もちろん、日本のように練習に必要な用具が十分に揃っているわけではなく、日によってはグラウンドの端っこ20m×20m位のスペースしか使えない日もあります。環境も日々めまぐるしく変わるため、準備してきても、ここインドでは思い通りに進むことはほとんどありません。正直、日本人の自分にとってはやりにくさを感じることもあります。
しかし、インドには「ジュガール(Jugaad)」という考え方があり、これは限られた資源や道具を工夫して問題を解決する、「即席の知恵」や「何とかする工夫」のことだそうです。
あれがないこれがない、意図が伝わらないとかつい文句を言ってしまいますが、自分もこのジュガール精神を培い柔軟性と発想力のある人間になれたらと思います。
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