JICA海外協力隊の世界日記

キルギス共和国便り

世界最大のクルミの森へ行ってきた!

樹齢700年というクルミの木

こんにちは、キルギス派遣中の安川です。

キルギスには、世界最大とも言われるクルミの森があることをご存じですか?

数万ヘクタールに及ぶ広大なその森は、キルギス南部ジャララバード州のアルスランボブという地区にあります。天然にできたクルミの森としては世界最大とされ、年に約1500トンのクルミが収穫されるそうです。キルギス国内だけでなくロシアやトルコなどにも輸出されています。ロシア語で、クルミはギリシャのナッツを意味する「グレーツキー・アレフ Грецкий орех」といいますが、古代ギリシャの英雄アレキサンダー大王が、中央アジア遠征の際、この地のクルミを発見し持ち帰ったという言い伝えも地元には残っています。もし本当にそうなら、これがクルミがヨーロッパに広まったきっかけになったのかもしれませんね。

アルスランボブ1(森).jpg

※森の様子

 このアルスランボブの森を、初秋のころ訪ねました。

クルミ収穫の最盛期には少し早く、森は静かで、ゆっくりと散策を楽しむことができました。森には、太い幹を持つ樹齢数百年の木も残っています。クルミ材は高級家具材としても価値があるため狙われることもあるのだとか。勝手に伐採されないよう保護の対象になっているそうです。また最近では、キルギスのクルミのブランド力を高めようという国家プロジェクトも始まり、植林も行われています。



緑の実

最初はどこにクルミの実があるのかわからなかったのですが、案内してくれたゲストハウスのご主人に教えてもらい地面をよく見ると、落ち葉の間に転がっているのが次々と見つかりました。初めて見るクルミの実。緑の分厚い皮の下に硬い殻があり、その中に食べられる部分が入っています。木漏れ日の中、枯葉を踏みしめながらのクルミ拾いは、宝探しのようでワクワクしました。

アルスランボブ4(実と中身).jpg

実と中身

アルスランボブ村の集落

高台からは、アルスランボブの集落が一望できました。村の人口は約17千人で、ほぼ全世帯がウズベク系。主に話されているのはキルギス語ではなくウズベク語です。ほとんどの女性が髪を布で覆っていてイスラム色の強さも感じられました。アルスランボブは、森の美しさから観光地としても人気があり、にはハイキングや乗馬を楽しむ人で賑わうそうです。

 山や湖とはまた違った、キルギスの新たな魅力を発見できました。

(安川 美杉 20241月~ コミュニティ開発)

アルスランボブ6(案内の方々と).jpg

案内してくれたゲストハウスの方々と

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