JICA海外協力隊の世界日記

マラウイ便り

マラウイで見つけた"余白"

名前:入江 華奈

隊次:2025年度1次隊

職種:青少年活動

配属先:ンコマTDC

マラウイで青少年活動隊員として活動している入江です。

マラウイに来てから約11ヶ月が経ちました。

任地では、毎日のように停電があり、洗濯は手洗い。夜は安全上の理由からあまり出歩けません。

日本で暮らしていた頃とはずいぶん違う生活ですが、その中で自分の考え方にも少し変化が出てきています。

日本で働いていた頃は、11秒が惜しかった記憶があります。

4年間教員として勤務していましたが、1分あれば生徒の日記にコメントが書けるし、提出物を数冊チェックできる。近頃元気がない子と対話を始めるきっかけを作ることだってできる。

週に1度あるかないかの休日は、友人と会う予定を入れることがほとんどで、何も予定がない日は、家事をしているとあっという間に1日が過ぎ去ってしまっていました。

空白の時間があるとどこかソワソワしてしまい、気づくとスマホのカレンダーは数ヶ月先まで予定で一杯。何もしていない時間に対して「え?これいま何の時間?」と感じることも多くありました。

それが日本にいた頃の、私の日常でした。

任地は、首都から50km離れたンコマという小さな街。

家の裏にはンコマ山がそびえ立ち、近所にはヤギ、イヌ、サル、ニワトリが歩き回っています。

ニワトリの鳴き声で1日が始まる、のどかで穏やかな時間が流れる場所。

日本にいる頃よりずっと多くの「何もしない時間」があります。

ありがたいことに、ここでも周りの人に恵まれています。

木の下に座って、友人と話す。

ぼーっとしながら、思いついたことをただ口にする。

「あの鳥はどこへ行くんだろうね」

「この葉っぱ、なんだかおもしろい形だね」

日本にいた頃は、こんな目的のない会話をする機会はほとんどなかったけれど、今ではそんな時間を心地よく感じています。

お隣さんの家で、ご飯を食べた後に、料理で使った火を囲む。

パチパチと木炭に火が広がりゆらめく炎を黙って見つめる。

音楽をかけて、音に合わせて身体を揺らし、その日あった出来事を思い出すままに話す。



(写真「お隣さんの子どもは”Fire is like our neighbor.”と話す」)

1年前までは、空白の時間があると

「え? いま何の時間?」と不安になっていたはずなのに。

これまで「無」だと思っていた空白の時間は、「余白」だったのかもしれない。

そう思うようになりました。

暗がりで見る火がこんなにも美しいこと

鳥のさえずりが心を癒してくれること

ただ隣に座って誰かと一緒に過ごすだけで、人との温かいつながりを感じられること

空白の時間があるからこそ

気づけることがあり、満たされるものがある。

残り1年ほどの任期。

周りにいる人たちとの豊かな「余白」を

心から満喫したいと思います。

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