JICA海外協力隊の世界日記

マラウイ便り

マラウイでガイジンになってみて

名 前:河本 万里子
隊 次:2023-3次隊
職 種:公衆衛生
配属先:Salima District Hospital
出身地:福岡県

2023-3次隊 公衆衛生としてマラウイに来て早いもので4ヶ月が経ちました。このボランティアレポートを書いている頃は2️024/6月(マラウイは冬)で、現地の人でも暑い!蚊が多い!!がお決まりフレーズの任地サリマでダウンを着て「寒い寒い」と言っている意外な状況に嬉しくて心が踊っています。ただこの時期が過ぎると地獄の暑さの9~11月が待っているので、冬好きの私はぶるぶる震えています。。
今回ボランティアレポートを書く機会を頂けたので、来マして4ヶ月で感じたことを徒然なるままに書いてみようと思いますm(_ _)m

まずはポジティブなことから!
①「Warm heart of Africa」に違わぬ優しいマラウイアン
マラウイを表す代表的なこの言葉を本当に実感できるくらい現地の人は優しいといつも感じます。とりわけそのことを強く実感したのは、いよいよ個人での活動のスタート:首都での病院研修が始まってからでした。私自身は看護師や薬剤師等の医療の直接的な従事者ではないし、その上公衆衛生の知識が特別あるわけでもなく、何かしてあげたいという気持ちこそあれ、何ができるか完全に未知数でした。それでも6週間という短い期間、語学も拙いガイジンボランティアであるにも関わらず、毎日多くの新しい経験をさせて頂きました。
Salimaに来てからは「家にご飯を食べにおいでよ」「教会に一緒に行こう」「ブレイズヘアを作ってあげる」「シマやケーキを一緒に作ろう」と言ってくれます。遠くからで  も挨拶や名前を呼んでくれ、大家さん家族は数日会えてなかったら様子を見に来てくれ・・とおかげさまで土日も楽しく過ごすことができてとても安心しました。

果たして自分が日本にいた時、海外から来た人達にこんな風に接することができただろうか?存在は知りつつもあくまで他人、素通りが常でした。。自分の振る舞いを見直す良いきっかけになったような気がします。

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メイズの収穫時期、お昼ご飯は皆でシマを囲んで食べる

②仕事熱心な人がたくさんいる
マラウイでは物資や資金が不足しているのは事実。。それでもDistrict Hospitalでは管轄するヘルスセンターのケアも怠っておらず、さらにもっと小規模なヴィレッジクリニックのスタッフへの教育、ポスターやガイドラインを配布等、多くの役割を果たしているように思えました。特に教育はより多くのヘルスケアスタッフを育成し、遠方で病院へ通うことが難しい住人にも医療を提供することができます。
病院から少し足を伸ばせば何も無い土地に家が点々としているだけの場所が広がっています。天井と囲いだけの屋内で小規模な手術はナースがテキパキと始めます。「できない、自信がない」など言わず「This is my duty!」と言い切ります。そして「I love my job!」という人も多い印象。物資や資金があればもっと勉強したいし、やるべきことも手順もビジョンもわかっているのに。草の根活動では彼らの本音に触れる機会がたくさんある、そう実感します。

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予防接種の対象者や頻度について、私のノートの写真を撮る同僚

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ヴィレッジクリニックの隅、ここで手術も行います

③オシャレな人がたくさんいる!
今回JOCVに参加するに当たり、悪目立ちしない、アクセサリーなど着けない、シンプルイズベストで!と荷造りをして、いざマラウイに到着すると、、ここオシャレな人多い。。。。。チテンジが代表的かもしれませんが、普段着もカラフルで、アフリカの国では全身原色・柄柄スタイルでも不思議なほど馴染んでいます。さらにヘアスタイルもブレイズヘアで決めて、アクセサリーを着けてヒール靴を履いてとそんな人も見かけます。やばい、私すごくみすぼらしい、、土埃で茶色くなったユニフォームに靴にバックにと、、同僚の女子達から「それ洗ってるの?」「女性は持ち物を綺麗にしなくちゃダメなのよ!」と指導を頂くこともしばしば、、女子達は写真映えも抜群です!

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Lake Malawiまで歩くエクササイズイベントにて参加者達と

さてここからはネガティブなことも少し書いてみたいと思います。実はJOCVに応募したいと思い立ってから何度か説明会や懇親会なるものに行って、協力隊OBのお話も聞く機会がありました。そこでふと思う、、誰も悪いことを言わないな・・もちろんJOCV募集の場だし、皆さん良い経験をしてきたからそれを話したいだろうし・・・でも本当に誰も言わない、気になって質問してみてようやく一言二言出てくるくらい、なぜ? ないわけないでしょ・・
ということで書いてみます、初級編m(_ _)m 未読スルー可。

①永遠に来ないI’m coming.
このフレーズは会話でとってもよく聞くフレーズ。しかしもはやこの言葉の信頼性は無いに等しい。この言葉を聞いて数分で戻って来ると思いきや、活動で5時間以上待ちぼうけをくらったあげく、君のこと忘れてたと何事もなかったように言われたときは震えたものです。。その他、延々と繰り返すTomorrow、Nextweek、連絡来た試しがないI will let you knowも頻出フレーズ。

②止まないAzungu(現地チェワ語でガイジン・白人)コールからのGive me money
ちょっと外を歩けばガイジンは目を引くようで、悪気があるのかないのか、子供達のよく響く大声でAzunguコールの大合唱。そして可愛い笑顔で近づいてきたので挨拶するとGive me moneyの一言。他の英語は知らないのにその言葉だけは知っている。親が教えているのか何なのか。。
日本に住む海外出身の知り合いからForeignersと言われると気分が悪いと聞いたことがありました。あぁこんな気持ちか、と自分がガイジンになって身をもって実感しています。

③買い物は値上げの嵐!
Azunguと見るや、相場の何倍もの値段をふっかけてくる野菜・果物売り、レストラン、乗り物その他諸々・・任地に着いてすぐの頃も疑り深くなってしまい、いちいち値切ったり、他のマラウイアンが支払う時に金額に聞き耳を立てたりしていました。お金が絡むとWarm heart of Africaも霞んでしまうのか。。

とはいえこれくらいのことは私だけでなく、そしてどんな国であっても起こり得ること。そして協力隊OBの方がたくさんの良い思い出を私達にシェアしてくれるのはきっとネガティブな面をはるかに超えるくらい充実した時間を過ごせたことと、現地の人達への感謝が溢れているからだと思います。あと1年8ヶ月、今私は本当に「マラウイに教えてあげる」ではなく、「学ばせて頂いています。」その中で少しでもマラウイのために役に立てることをPangonoPangono(少しずつゆっくり)で模索していければと思います。

2024年7月

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