JICA海外協力隊の世界日記

マラウイ便り

マラウイのアリは超先進国

名 前:前山和
隊 次:20231
職 種:障害児者支援
配属先:カフルプライマリースクール
出身地:兵庫県

マラウイに来て1年以上が経っての私の趣味はアリの観察です。前から好きだったわけではなく、マラウイに来たことにより好きになりました。
それはなぜか。マラウイのアリさんたちは超先進国に住んでいるじゃん!という勝手な見解からです。日本にいるときにアリを見かけると「あ、アリだ」くらいでそこに何の感情も思い入れもなく過ごしていました。ですが、マラウイに来て日本とマラウイのアリを比べることができるようになり、たくさん思うことが出てきたのです。
それでは少し、私の超私見の研究結果を発表させていただきます。
とてもしょうもないのでぜひ、コーヒーを飲みながらお読みください。

マラウイのアリの家(巣)は驚くほど大豪邸。地上に伸びるアリ塚は何メートル級で、きっと地下にもすごく長くて大きい地下室が広がっています。地面も土が基本なので柔らかく土地開拓はいくらでもできて、土地も安いし広い。DIYやリフォームにはぴったりです。いったい何LDKに住んでいるのだろうと考えるだけで、わくわくしてしまいます。
ある地方に行ったとき、大きな1本の木全体がアリの家になっていました。無数の勝手口からアリが「わっせ、わっせ」と言っているかのように働いていました。
主要玄関はどこだろうと木の周りをずっと観察していると、きっとここだ!と見つけた出入り口からきれいに列を作って出勤しにいくアリを見ることができました。なんだか足取りも軽やかそうでした。(知りませんが笑)
そう。マラウイのアリの自給自足率は100パーセント。人と動物、植物との垣根が低すぎるここマラウイでは食料で困ることはほぼないのではないかと思うくらいに、地面にアリたちの食料がありふれています。
そしてしかも、雇用率も100パーセント。みんなが食材を運んだり家を建てたりと働いています。みんなが働けるので定時出勤定時退社ができるホワイト企業なんだろうなとか思うこともしばしば。
各家族大豪邸に住める余裕、自給自足率100%、雇用率100%のマラウイのアリさんたち。きっとアリ界での世論調査では「幸福度ランキング1位」の国なのではないでしょうか。つまり、マラウイのアリは超先進国ということです。
一方日本のアリはというと、コンクリートだらけの土地のためきっと家の広さは1Kくらい。DIYやリフォームをするには土地がなく競争率も高い。食材もほとんど落ちていないため働く場所が少なく自給自足率や雇用率は自然と低下。きっと日本に住んでいるアリは最貧国と呼ばれてもおかしくないと思います。
これが私が勝手にしているマラウイと日本のアリの比較研究です。あくまで個人の感想です。ご了承ください。

私はボランティアとして先進国の日本から最貧国のマラウイにきましたが、視点を変えてアリ目線で話しをすると、私は最貧国の日本から先進国のマラウイにきたことになります。

何が言いたいかというと、なにごとも視点を変えて物事を捉えることがとても重要であるということです。日本で生まれ育ちあたりまえのようにアリを見ていましたが、ちょっとアフリカに来るだけで真反対の生活をしている生物たちがいます。

私はここに少しでも障害児教育をよりよくしたいと、マラウイが発展すればいいなと思っていましたが、全世界が発展し人が住みやすい世界になっていくとあらゆる場面で困難に直面する生物が必ず出てくることをアリの観察で学びました。

発展っていいことなのかなあ、と。マラウイはマラウイのままであってほしいなあ。と少しばかり思ってしまう今日この頃です。
ビルがたくさん立ち並ぶ景色もきれいですが、空をこれでもかと感じられる景色も素晴らしいです。通信機器が発達しコミュニケーションが取りやすい世界も素敵だけど、行かなきゃ会えるかわからない、直接会わないと話ができない環境もきっと素敵なコミュニケーションだと思います。

兎にも角にも、私の任期は残り5か月。ありがたいことに充実した毎日を送っています。自分の考えだけに固執せず、視点を変えてたくさんの思考やアイデアに触れながら、それを受け入れて楽しんで笑いに変えて過ごしていけたらいいなと思っています。

ぜひ、お時間あるときにアリの観察をしてこの一家は何LDKに住んでいるのだろうと考えを膨らませてみてください。意外に夢中になれます!笑

Picture1.jpg
家にできたアリ塚の観察1日目

Picture2.jpg
ちょっと伸びた2日目(笑)

Picture3.jpg
愛着でてきた3日目(笑)

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