2026/03/31 Tue
4_断食明けは意外と静か?

マレーシアに障害児・者支援で派遣中の島田奈緒です。
ヌグリ・センビラン州にある小学校の特別支援学級で活動しています!
マレーシアでは、人口の約6割がイスラム教徒です。
2026年は2月中旬から3月中旬にかけて、ラマダン(断食月)でした。ラマダン中、イスラム教徒の人々は日の出から日没まで飲食を控えます。よくある誤解ですが、イスラム教徒は1か月間終日断食しているわけではありません。
※断食についての詳細を知りたい方は、三井隊員の記事をご覧ください!https://world-diary.jica.go.jp/JICA_Malaysia/cat3894/17.php
イフタールとは?
日没後、最初にとる食事を「イフタール(iftar)」といいます。同僚に誘ってもらい、私もはじめてのイフタールに参加してきました。
ラマダン中、イスラム教徒は日没の合図となるアザーン(礼拝の時間を知らせる呼びかけ)とともに、夕食を食べはじめることができます。
私の住むヌグリ・センビラン州では、この日の日没は19時29分でした。18時半ごろ会場に到着し、目の前の料理に惹かれつつも、参加者の皆さんとともに、その時を待ちました。私は断食していませんでしたが、皆さんの習慣を尊重して同じように過ごしました。

同僚の息子さんが、待ちきれない様子で料理をのぞき込んでいるかわいらしい場面にも遭遇・・・!
断食明けはお祭り騒ぎではない?
もしみなさんが断食を経験したら、日没後の食事をどのように迎えるでしょうか。どんな風に食べると思いますか?
正直なところ、私は、断食明けの瞬間は「やっと食べられる!」とみんなで歓声を上げて食べる光景を想像していました。賑やかなお祭りのような雰囲気だと勝手に思っていました。
しかし実際は、多くの人が静かに断食明けの瞬間を迎えていました。まず水を飲み、デーツを食べるという人がほとんどでした。

そして、その後すぐに多くの人が礼拝へと向かっていきました。許可をいただき、礼拝の様子を撮影させてもらいました。

1日何も食べていない状態でいきなり大量に食べると、体に負担がかかるというのはわかるのですが、私なら、まず好きなものを思い切り食べたくなってしまう気がします。
普段の食事と変わらないように静かに食べ始める姿を見て、断食は彼らにとって特別に「つらいもの」ではなく、日常の一部として自然に受け入れられているのだと感じました。また、彼らの中で、礼拝が日常の中で重要な位置を占めていることも改めて感じました。
同僚に「なぜ、ようやく食べられるのにみんな盛り上がらないの? 水とデーツを口にしてすぐお祈りに行くのはなぜ?」と尋ねたところ、
「それが文化で当たり前なんだ。あと、礼拝を一回挟んだ方がたくさん食べられるから」との答えが返ってきました。
静かにイフタールを迎えることがルールではありません。ですが、宗教観や習慣、文化の積み重ねによって、自然と落ち着いた雰囲気になるのだと思います。もちろん、人によって過ごし方はさまざまです。
自分がイフタールに参加したからこその気づきです。協力隊は、このように「体験して学ぶ」という場が非常に多いことが魅力だと感じます。
礼拝の後は、ご飯やおかず、デザートなどをゆっくりと楽しんでいました。マレーシアの文化を味わいながら、同僚やその家族、友人たちと囲む夕食は、心温まる時間でした!
この日以外にも5回ほどイフタールに参加しました。モスクでのイフタール、ホテルでのイフタールなどさまざまです。
モスクでは、断食期間中毎日イフタールが提供されており、食事は無料です。モスクで提供される食事を楽しむ人もいれば、「バザール」と呼ばれる屋台市で購入した食べ物を持ち込んで楽しむ人もいました。また、イフタールの前にコーラン(イスラム教の聖典)を読んでいる人が多くいました。
写真は順に、ホテル、大きな広場でのイベント、モスクでのイフタールの様子です。

私が参加したイフタールでは、ゆったり食事を楽しむ人もいましたが、15分ほどで食事を終え、礼拝へ向かう人が多い印象でした。
また、どのイフタールでも、私のようにイスラム教徒ではない人も温かく迎え入れてくれることが印象的でした。こうした懐の深さは、多民族国家であるマレーシアならではなのかもしれません。
あるイスラム教徒の知人に「ラマダンは辛くないの?」と尋ねました。すると彼女は、「それ以上に夕食をみんなで食べることに幸せを感じる」と答えてくれました。
別の知人は、「恵まれない人々の気持ちを身をもって感じることができる」と答えてくれました。
断食を通して食べ物のありがたさを実感し、家族や周囲の人々と食事をともにできる喜びを再確認する時間でもあるということを感じました。
ラマダンの時期にマレーシアを訪れる機会があれば、ぜひ一度体験してみてほしいと思います。ただの旅行では味わえない「マレーシアらしさ」を体験できる良い経験になるかと思います。
拙い文章でしたが、最後まで読んでくださった方がいましたら、ありがとうございます。
Jumpa lagi(また会いましょう!)
SHARE





