JICA海外協力隊の世界日記

マレーシア便り

#18 街角に残るミステリーの足跡

" Adakah anda tahu rahsia bandar anda?(あなたの町の秘密を知っていますか?)"

理学療法士隊員の三井健司です。

日本では謎めいた出来事や伝説を『七不思議』と言ったりします。マレーシアにも同じ様な不思議な現象があります。今回は、ヌグリスンビラン州スレンバンに赴任している隊員、岡山眞一さんから情報をもらい協働作成しました。是非ミステリーに浸って頂ければと思います。

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スレンバン駅前にある池の神秘的な魅力は、多くの人々の記憶に刻まれています。かつて修道院中学校が存在したこの土地は、1994年にショッピングモール建設のため取り壊されました。しかし、1997年の経済不況により計画は頓挫し、未完成のまま放置されることとなりました。

驚くべきことに、工事が始まった際、次第に水が湧き出し、その流れを止めることができなくなりました。それにより計画はさらに停滞したと言われています。一部の卒業生によれば、土地の水脈が破られたことが原因かもしれないとのことです。この池の出現は偶然の産物なのか、それとも何らかの深い意味を持つのか、今もなお謎に包まれています。

スレンバン修道院中学校の歴史を振り返ると、その設立は1904年に遡ります。イギリス駐在官のウェルド氏の尽力のもと、コレッセン神父とアナントール修道院長の協力によって開校しました。設立当初はシスターたちによって運営され、少数の生徒が学ぶ場でした。しかし、日本軍の占領期間中には、タイピンやシンガポールから避難してきたシスターや孤児たちの避難所としても利用されました。戦後、学校は再開され、教育機関として発展を遂げ、1980年代から1997年には1,800人もの生徒を受け入れるほどの規模となりました。

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しかし、建物の老朽化が進んだことから、女子国民中学校への移転が決定され、修道院中学校の建物はその役割を終えました。その跡地はショッピングモール建設のために取り壊されましたが、計画は進むことなく、代わりに池が形成され、長年にわたり枯れることなく存在し続けています。

スレンバン市街の発展に伴い、修道院中学校周辺には映画館や飲食店が立ち並び、かつての賑わいを知る世代にとっては懐かしい思い出の場所となっています。池の存在は、単なる自然現象なのか、それともこの地に刻まれた歴史の一部として何か特別な意味を持つのか、多くの人々にとって謎めいたものとなっています。

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スレンバンの池のミステリーは、過去と現在が交差する場所として、人々の心を惹きつけてやみません。この池が持つ不思議な物語は、これからも語り継がれ、スレンバンの歴史と共に生き続けることでしょう。

⇩このYoutubeが参考になります⇩

参考Facebook投稿
Malaysiaku Dulu Dulu Official

Pesona Seremban


お読みいただきありがとうございました。

”Moga hari anda dipenuhi kegembiraan!(幸せな一日を過ごせますように)”

ヌグリスンビラン州スレンバン 障害児・者教育 岡山眞一

スランゴール州クアラ・クブ・バル 理学療法士 三井健司

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