JICA海外協力隊の世界日記

マレーシア便り

#12 マレーシアのコーヒー文化

”Sudah minum ? (スダッ、ミヌム?)”

「もう(何か)飲みましたか?」

理学療法士隊員の三井健司です。マレーシアでは前回の世界日記(時間ある方はこちらをご覧ください)「もう食べましたか?」と同じくらい何か飲んだかはよく聞かれます。この2文はイコール「元気ですか?」と同じ意味を持ちます。マレーシアの人は食べ物、飲み物が大好きでそれで相手の健康状態を把握しているのです。「まだだよ」と返答すると、かなりの確率で「よし、じゃあ何か一緒に飲もう!」と気遣って言ってくれます。日本から来た私には毎回「優しいな」と心がホッとします。

今回は、私の好きな飲み物「コーヒー」についてお伝えします。

ボルネオ島サバ州にあるマレーシア最大のコーヒー産地「テノム」へ行ってきました。ここはまさにコーヒーを中心とした農業によって経済が支えられています。他にパーム椰子、バナナ等の果物の生産が盛んです。現地の方に聞くと山と川に囲まれた肥沃な土地であり、その地形ゆえにイギリス、日本植民地時代にも食料源を供給できる貴重な場所だったそうです。

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さすがコーヒー産地、町全体がコーヒー推しです。


Yit Foh Coffeeという大手コーヒー会社の運営するコテージに泊まりました。そこでコーヒーの実から粉にしてパック詰めするまでの工程を説明してもらえる見学ツアーに参加しました。

コーヒーの実は真っ赤です。種類により大きさや皮の厚みが異なります。

コーヒーの花は白くジャスミンの香りがします。

世界的にはアラビカ種が主流ですが、テノムはほぼロブスタ種を作っています。これはロブスタ種が土地に合うからという理由からだそうです。

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工場では機械化が進んでおりあっという間に1杯用のパック詰めコーヒーが出来上がっていました。ここからマレーシア全土へ送られます。またカフェ兼売店では試飲が可能です。マレーシアならではのチャムというコーヒーと紅茶をミックスさせた飲み物もあります。


テノムのコーヒー農園(ペダスファームステイ)へ訪問しました。

日本では島嶼部以外では見れないコーヒー農園です。私にとって初めての光景でした。その場でコーヒーの実をかじってみることもさせて貰いました。

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オーナーからは、『世界のコーヒー需要に追い付かない供給が続いており価格高騰している』というコーヒー産業が立たされている危機を聞きました。その内、私たちはコーヒーは飲めなくなってしまうかもしれません。

また、その危機に対してまだ供給量の少ないテノムのロブスタ種が改良されて世界へ流通しなければならないというオーナーの強い信念を感じました。さらに日本の農業はテクノロジーを取り入れて効率化が進んでいるからぜひ繋がり、こちらの伝統農業技法の知識をシェアする様な相互作用が生まれる関係性を作っていきたいという提案も頂きました。

しかしながら、農場運営の現状は厳しいものもありコーヒーだけでなく他の果物なども育ててリスク分散をさせて営業されています。


お読みいただきありがとうございました。それではまた次回にお会いできるのを楽しみにしています。

”Selamat Menikmati Kopi‼(セラマッ、ムニクマティ、コピ‼)”

「楽しいコーヒータイムを!」

スランゴール州クアラ・クブ・バル 理学療法士 三井健司

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