JICA海外協力隊の世界日記

ミクロネシア便り

【ポンペイ暮らしのぞき見帳①】てんぷら、ベントウ、サシミのある毎日

カセレーリエ!(こんにちは!)

ミクロネシア連邦、ポンペイ州、オーミネ小学校に小学校教育という職種で派遣されている丸尾奈々恵です。

今回から、私が暮らすポンペイの日常をテーマごとにお届けしていきたいと思います。

記念すべき第1回目のテーマは、毎日の生活に欠かせない「」。

実はポンペイには、日本人なら思わず「えっ!?」と驚く食べ物や言葉がたくさんあります。そして食卓には、この島ならではの温かい文化が息づいています。

今日は私のある1日の食事を通して、ポンペイの食文化をご紹介します。

☀️ 朝:「てんぷら」と聞いて想像するもの、違います

朝、ローカルのお店に立ち寄ると必ずと言っていいほど並んでいる食べ物があります。

その名も「てんぷら」。

初めて現地の先生から

「今日の朝ごはんはてんぷらだよ!」

と言われたとき、私はすっかりエビや野菜の天ぷらを想像していました。

ところが目の前に現れたのは、なんと丸い揚げドーナツ。

「これが……てんぷら!?」l

思わず二度見したのを今でも覚えています。

外はサクッと香ばしく、中はふんわりモチモチ。素朴な甘さがどこか懐かしく、ついつい手が伸びてしまいます。

このてんぷらは1袋にたくさん入っています。

そして学校へ行くと、誰からともなく始まるのが「シェアタイム」。

「食べる?」 「こっちもどうぞ!」

そんな声が飛び交い、みんなで一つの袋を囲みながら朝のおしゃべりが始まります。

日本では「自分が買ったものは自分で食べる」が当たり前かもしれませんが、ポンペイでは「みんなで分ける」が自然な習慣。

私の1日は、そんな温かな朝の時間から始まります。

☁️ 昼:職員室で広げる「ベントウ」

お昼ごはんは、おにぎりや簡単なおかずを持参することが多いです。

職員室で先生方と一緒に昼食を食べていると、ポンペイと日本の意外なつながりを感じる瞬間があります。

それは「ベントウ」という言葉。

現地の先生たちは、購買やお店で買ってきたお弁当を当たり前のように

「今日のベントウはチキンだよ」

「ベントウ買ってきたよ」

と呼びます。

実はポンペイには、日本統治時代の影響で日本語由来の言葉が今も数多く残っています。

「ベントウ」 「シトウシャ(自動車)」 「センセイ」

など、日本人ならすぐ意味が分かる言葉が日常会話の中で自然に使われています。

遠く離れた南国の島で日本語に出会うたびに、不思議な親近感を覚えます。

そして昼食の時間にも、やはり欠かせないのがシェア文化です。

「これ食べてみて!」 「この魚おいしいよ!」

先生たちは自分のおかずを次々と勧めてくれます。気がつけばみんなからのシェアで私の「ベントウ」が完成。

最初の頃は遠慮していましたが、今では私も日本のお菓子やおかずを持って行き、みんなで交換しながら楽しむようになりました。

食べ物を分け合う時間は、言葉以上に人との距離を縮めてくれる気がします。

夜:南国の贅沢「ポンペイサシミ」

一日の終わりに楽しみにしているのが、私の大好物「ポンペイサシミ」です。

お昼の「ベントウ」と同じく、「サシミ」も日本語由来の言葉。

ただし現地で「サシミ」と言うと、日本で一般的な醤油とわさびで食べる刺身ではなく、ポンペイ独自のスタイルを指します。

材料はとてもシンプルです。

    • 新鮮なマグロ
    • 薄切りの玉ねぎ
    • 地元の柑橘類カラマンシー
    • コスラエソルト(コスラエ州で作られる塩)

ぶつ切りにしたマグロに玉ねぎをたっぷり加え、カラマンシーをぎゅっと絞り、塩で味を整えます。

最後にわさびを少し添えていただきます。

カラマンシーの爽やかな酸味と塩気がマグロの旨味を引き立て、そこにわさびの刺激が加わると、もう箸が止まりません。

日本ではマグロの刺身は特別な日のごちそうというイメージがありますが、海に囲まれたポンペイでは驚くほど身近な存在です。

新鮮な魚が手に入ることも多く、海の恵みを日常的に味わえるのは島暮らしならではの贅沢だと感じています。

「持っている人が分ける」文化

ポンペイで暮らしていて特に印象的なのは、食べ物を分け合うことがとても自然であることです。

放課後になると、

「先生、これ持って帰りな!」

とパンや果物を渡されることがあります。

遠慮して断ろうとしても、

「大丈夫、大丈夫!」

と笑顔で袋にどんどん入れられてしまいます。

気づけば両手いっぱい。

ポンペイでは「持っている人が分ける」という考え方が生活の中に深く根付いているように感じます。

朝のてんぷらも、昼のベントウも、夜のサシミも。

誰かと一緒に食べること、分け合うことが当たり前なのです。

たくさんのモノがあるわけではありません。

でも、美味しいものを持ち寄り、みんなで笑いながら食べる時間があります。

その光景を見ていると、本当の豊かさとは何だろうと考えさせられます。

日本との不思議な縁を感じながら、人とのつながりに包まれて暮らすポンペイの毎日。

今夜もごちそうさまでした。

次回は、ポンペイ名物とも言えるダイナミックな「雨(スコール)」との付き合い方についてお届けします。

どうぞお楽しみに!

カセレーリエ!(さようなら!)

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