2025/12/26 Fri
保健医療分科会
ナンプラでの保健医療分科会活動

初めて世界日記に登場します、佐藤安澄です!
私は現在、モザンビークのマプト州ベラビスタという地域で、看護師隊員として活動をしています。隊員生活も残すところ約1カ月となり、1日1日を噛みしめながら、残りのモザンビーク生活を過ごしています。
そんな中、分科会活動の一環として、北部のナンプラという地域を訪問する機会をいただきました。分科会とは、共通する分野で活動している隊員同士が集まり、定期的に活動の共有を行ったり、共同で活動を実施したりする集まりのことです。私は看護師隊員なので、保健医療分科会に所属しており、現在この分科会には4名の看護師隊員が在籍しています。今回は、この4名で行った4日間の活動内容について紹介したいと思います。

現在、モザンビークの隊員はマプト州とガザ州にのみに赴任しています。今回訪問したナンプラ州は、私達の任地よりもかなり北部に位置しています。任地以外の医療現場や医療の教育現場はどのような状況なのかを知りたいという思いから、ナンプラ州にあるルリオ大学とナンプラ中央病院を訪問しました。
ルリオ大学では、2日間で6科目(①看護倫理②基礎看護学③感染管理④新生児看護学⑤緊急時対応⑥5S)を講義しました。看護学生および医学生あわせて約100名の生徒たちが受講してくれました。大学には、授業に使用する人形や、医療器具が数多くそろっており、学習環境自体は整っていると感じました。学生たちは非常に意欲的に講義に取り組んでおり、特に実践を取り入れた講義では、楽しそうに参加している様子が印象的でした。実践中、ある学生が「この器具は授業で学んでいるが、実際に触るのは初めてだ」と話してくれました。物品はそろっていても、実際に手に取って学ぶ機会が十分に確保されていない現状を感じました。4名で相談し、今回の講義では実践の時間を多く取り入れたいと考えていました。なぜなら、実際の医療現場では、このような器具や物品が十分にそろっておらず、学ぶ機会が非常に限られていること、また現場のスタッフは「知っていると」言っていても、実際に実施する機会が少なく、十分に身についていないケースが多いからです。講義終了後には、生徒達の要望に沿った実践練習を行う時間を設けました。時間が足りなくなるほど多くの質問が飛び交い、少しでも多く学ぼうとする生徒達の姿を見ることができ、とても嬉しく感じました。
ナンプラ中央病院では、5Sに関する講義と2日間の実践活動を行いました。5Sとは、「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の5つを指します。実践は2カ所に分かれ、現地のスタッフと共に実施しました。実施前の現場では、同じ種類の物品がさまざまな場所に配置されていたり、何年も前の不要な資料が乱雑に保管されている状況でした。1日目で整理、整頓、清掃を実施し、2日目に整理された物品の配置が分かるように、ラベル付けを行いました。病院のスタッフはとても意欲的で、積極的に意見を交わしつつ、作業を進めることができました。2日間の実践終了後には、今後も継続して取り組んでいけるよう、スタッフと意見交換を行いました。5Sを知らない人がほとんどという環境で、今後の課題は多くありますが、知る機会を作ることができたことは、とても良かったと思います。

約2年間活動をしていると、異国の文化や価値観の違いから、ポジティブな感情だけでなく、ネガティブな感情が出ることも少なくありません。今回の4日間では、本来の目的である、任地以外の医療現場や医療の教育現場を知るという事に加え、改めてモザンビークの人々の魅力を肌で感じることができました。
私達の今回の活動は決して大きなものではありませんが、モザンビークのこれからの一歩に少しでも繋がっていればと思います。
また、モザンビークでの生活も残りわずかとなった今、医療分科会員全員で1つの活動を共にやり遂げることができたことを、とても嬉しく思います。
最後になりますが、活動をサポートしてくださったスタッフの皆様に感謝いたします。ありがとうございました。
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