JICA海外協力隊の世界日記

モザンビーク便り

【私の愛しいMozambique】「冗談」

Boa tarde いかがお過ごしでしょうか。

日本はすっかり木の葉たちが色づいてきれいな紅葉の時期ですね。モザンビークは本格的な夏が始まりそうです。

さて、アフリカの人、気候が温かい国の人たちに対して、皆さんはどんな印象を持っているのでしょうか。きっとその中に「楽観的」というキーワードも入っているのではないでしょうか。今回は、それらに関連付けられる「冗談」についてお話したいと思います。

モザンビークの人たちは、とにかくおしゃべりが大好きです。道で話し出したら、2時間3時間が経つなんてことは普通です。初対面であっても、あたかも古い知り合いかの如く、よく語らいます。その会話の中では、たくさんの冗談が飛び交います。もちろん、面白いものもたくさんあるのですが。困るのが、自分が落ち込んでいる時や元気がない時に、言われる冗談でした。

昨年私は怪我をして、活動に行けない時期がありました。体を思うように動かせないもどかしさと焦りもあり、かなり精神的に落ち込んでいました。毎日、早く怪我を治すために、リハビリとしていつも使っている砂道を歩く日々。私が活動に行けない理由を近隣の人もみんな知っているのに、特によく話す友人に限って私に、「おい、ゆき!いつまで仕事(活動)に行かないんだ?怖くなったのか?(ニヤニヤ)」と言われました。他の友人は、「ゆき、仕事行かないの?怠け者になったの?」と。私にとってその言葉は、怒り以外の何物でもありませんでした。異国で家族もおらず、日本人一人でこの地域で生きるのは簡単ではなく、おまけに怪我もして、あなたに何がわかるの?なんでそんなことを言われなければならないの?と。(当時はかなり悲劇のヒロインのような感情でした(笑))

怪我をする前から、現地の人たちの言葉に怒りが湧くことはよくありましたが、言ったところで無駄だろうとスルーしていました。また、狭い地域で外国人の私はとても目立つこともあり、良いうわさも悪いうわさもあっという間に広がります。なので私自身、負の感情を彼らに出すことを怖がっていました。やっと居場所を築いているのに、悪いうわさで居心地を悪くはしたくなかったのです。

ただ、この怪我をした時の私は、もう限界。初めて私は現地の人に本気で「怒り」を出しました。すると一人はとても驚いて、なんでそんなに怒るの?と。私は心の内を彼らに話しました。すると、その女性は私に真剣に謝ってくれました。あなたを傷つけるつもりはなかったと。一方でもう一人には、怒った時点で笑われ、全く伝わらなかったので、あなたとはもう話したくないと伝えました(笑)。伝えた次の日、同じ道を通りましたが、他の人もいつもと変わらずに接してくれました。これを機に、私は私でいていいんだなと、嫌なことは嫌でいいと我慢しなくなりました。

それからは何か嫌な気になることを言われた時には、素直に自分の気持ちを表現するようになりました。伝えてもわからない人はいるけれど、わかってくれる人もいるとわかったからです。また、彼らのふざけた冗談の意図が少しずつ分かるようになってきました。どうやら、彼らは何か相手が落ち込んでいるときに、笑いで吹き飛ばすためにジョークを言っているようです。その人がそれ以上考え込まないように、軽い冗談を言って笑って、少しでも心を軽くするような...そんな感覚です。この国では色々なことが起こります。一日の計画のうち、半分が達成されればマシです。昨日まで仲良く話していた人が次の日には会えない人になってしまうこともあります。日本であればどうにかなることもならない。そんな現実がたくさん巻き起こります。私は、その度に落ち込んでいたのですが、これでは、気が持たないなと思い始めました。少なくとも、今私たちはここにいるのだから、今を生きなければならなくて、その時間を悲しんでいても何もプラスにはならない。ならば、楽しく過ごそうじゃないか!そんなマインドになりました。そして、ああ、彼らはそうやって日々を生きているんだろうなと捉えるようになりました。

まぁ、そうはいっても、未だに怒ることはたくさんありますが、、、おかげさまで彼らの冗談のトークにも慣れて、私も冗談を言いながら、笑いのある日々を過ごしています。

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